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アメリカ中間選挙レポート

2018.10.01 公開 ポスト

第2回

米最高裁判事に指名されたカバノー氏の30年前の性的暴行問題がいま出る意味、民主党の執拗な攻撃渡瀬裕哉

 

上院司法委員会の公聴会で発言するブレット・カバノー氏=9月27日、ワシントン(写真提供:ゲッティ=共同)

最高裁判事承認手続きを破壊しようとするリベラル派と民主党議員たち

 今、米国で最もホットな政治の話題はブレット・カバノー氏の最高裁判事承認手続きだ。米国では最高裁判事は上院議員過半数の賛成によって承認されるルールであるため、同人事は共和党多数の上院において問題なく承認されるはずであった。しかし、現在、同氏が30年以上も前に高校時代に行ったとされる性的暴行問題の追加調査のため、本会議での採決が1週間ほど延期される前代未聞の状況となっている。

 CNNが報道しているように被害にあったとされる女性が上院公聴会に証言した姿を見ていると、トランプ大統領が指名した最高裁判事候補者に欠陥があったかのようにも見える。筆者は、実際に名乗り出たフォードさんが何らかの被害にあったことは否定しないが、やはり30年以上も経ったこのタイミングで改めて証言することには疑問を抱かざるを得ない。そして、米国民主党がセンシティブな問題を利用して米国の民主主義プロセスを破壊しようとしていることにもショックを受けている。

 米国民主党のリベラル派及び連邦議員たちによるカバノー氏に対する嫌がらせは強烈だ。上院での公聴会は初日からリベラル派の暴徒が乱入し、僅か3日で100人以上の逮捕者が出てしまった。カバノー氏はリベラル派の嫌がらせと暴力によって議会に迎え入れられたと言える。

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アメリカ中間選挙レポート

11月6日の米国議会選。トランプ大統領の共和党は勝てるのか? 著者独自の情報源と現地報道をもとに、刻一刻と変わる中間選挙の行方を共和党視点で分析。アメリカは変わるのか変わらないのか。この結果が日本にもたらすものとは?

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渡瀬裕哉

1981年東京都生まれ。国際政治アナリスト、早稲田大学招聘研究員。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。創業メンバーとして立ち上げたIT企業が一部上場企業にM&Aされてグループ会社取締役として従事。著書に『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか―アメリカから世界に拡散する格差と分断の構図』(すばる舎)などがある。

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