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アメリカ中間選挙レポート

2018.10.15 公開 ポスト

第10回

ハリウッドや有名セレブが民主党支持を続々表明しても、票には案外、結びつかない理由渡瀬裕哉

民主党支持表明は、セレブ自身の踏み絵の面が大きい

テイラー・スウィフトも先日、テネシー州の民主党候補者を支持することを表明(提供:UPI=共同)

 米国では国政選挙の前になってくると、ハリウッドのセレブが民主党を支持する恒例の行事が始まる。2018年中間選挙でも「〇〇が共和党の〇〇に反対して民主党の支持を表明」のように、CNNのようなリベラルメディアでストレートニュースが流れるのもいつもの通りだ。10月8日にテイラー・スウィフトが自身のInstagramで、共和党支持のファンを失う覚悟でLGBTや男女の平等の権利を理由に民主党を支持したそうだが、それで選挙情勢が動くと思うのは間違いだろう。

 2016年大統領選挙では、ヒラリーが多数のハリウッドセレブを自らのポケモンのごとく並べて、多くの米国有権者から失笑の的となって敗北した。連日のように発表されるセレブからの支持は米国の有権者を大きく動かすこともなく、彼らはヒラリーを一般の米国人とは違う華やかな世界に浸った特権階級として描き出すのに一役買っていた。

 ハリウッドは強固な民主党の支持基盤であることは広く知られている。芸能関係者はリベラルでなければ仕事が限定されてしまうため、自分自身が大金持ちのセレブ生活を満喫していることを脇に置きながら、LGBT問題などの文化的側面を理由に民主党を支持する。これがハリウッドスターの処世術であり、皆がお決まりの作法であることは分かっているので、ネタとしては面白くても米国の有権者に与える影響は実はほとんどない。ハリウッドスターが与える影響は彼らの巨額の献金を中心とした資金調達面の効果に限定されると見ていい。

 

トランプにウォークオブフェイムの星を元々授与したのはハリウッドだが…

 ハリウッドのリベラル化は度が過ぎるレベルに達している。

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アメリカ中間選挙レポート

11月6日の米国議会選。トランプ大統領の共和党は勝てるのか? 著者独自の情報源と現地報道をもとに、刻一刻と変わる中間選挙の行方を共和党視点で分析。アメリカは変わるのか変わらないのか。この結果が日本にもたらすものとは?

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渡瀬裕哉

1981年東京都生まれ。国際政治アナリスト、早稲田大学招聘研究員。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。創業メンバーとして立ち上げたIT企業が一部上場企業にM&Aされてグループ会社取締役として従事。著書に『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか―アメリカから世界に拡散する格差と分断の構図』(すばる舎)などがある。

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