1. Home
  2. 社会・教養
  3. アメリカ中間選挙レポート
  4. 民主党の内部分裂、10月27日予定の大規...

アメリカ中間選挙レポート

2018.10.22 公開 ポスト

第15回

民主党の内部分裂、10月27日予定の大規模デモWalk Away(立ち去る)運動とは渡瀬裕哉

民主党内で起こる「リベラル・モブ」批判

 中間選挙前に民主党支持者の間でも過激な傾向を強めるリベラル派への反感から内部亀裂が入りつつある。リベラル派の一部は「リベラル・モブ」と呼ばれる暴徒と化しており、穏健な民主党支持者との間に軋轢が生じている。ただし、CNNを代表するリベラル派メディア、そしてそれらに追随する日系メディアはリベラル勢力の過激派の存在を報道することはなく、一方的に共和党側の右派の過激派が叩かれ続けているのが日常だ。彼らが報道するリベラル派の行いはポリコレ路線の綺麗に作り上げられた内容ばかりが垂れ流されており、トランプが政治シーンに登場してから一層その傾向が強まっている。したがって、日本では左派の暴徒に関する情報をほとんど目にすることがない。

 しかし、実際には大統領選挙の年にはトランプ支持のホームレスの女性がリベラル派にリンチにされる動画が流された事件をはじめとして、アンティファと呼ばれる極左集団による暴動や最高裁判事承認人事を巡る反対派の暴力的な手法などがネットを通じて拡散されて米国では広く知られる状況となっている。トランプ大統領は最近の選挙演説で民主党を「過激な政党」として批判したが、あながち間違っているわけではない。

 

2016年大統領選挙時にリベラル派に暴行されるトランプ支持のホームレスの女性

 一方、多くの心ある民主党支持者もリベラルの在り方に疑問を抱く人が現れ始めている。リベラルメディアがどれだけ真実を覆い隠そうとしても、過激なノイジーマジョリティと距離を取りたいまともな民主党支持者が多数存在するであろうことは想像に難くない。

ここから先は会員限定のコンテンツです

無料!
今すぐ会員登録して続きを読む
会員の方はログインして続きをお楽しみください ログイン

{ この記事をシェアする }

アメリカ中間選挙レポート

11月6日の米国議会選。トランプ大統領の共和党は勝てるのか? 著者独自の情報源と現地報道をもとに、刻一刻と変わる中間選挙の行方を共和党視点で分析。アメリカは変わるのか変わらないのか。この結果が日本にもたらすものとは?

バックナンバー

渡瀬裕哉

1981年東京都生まれ。国際政治アナリスト、早稲田大学招聘研究員。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。創業メンバーとして立ち上げたIT企業が一部上場企業にM&Aされてグループ会社取締役として従事。著書に『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか―アメリカから世界に拡散する格差と分断の構図』(すばる舎)などがある。

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP