生き方
「はい、力を抜いて大丈夫です。楽にしてください。飲めそうだったら水分補給にジュースも飲んでくださいね」
白を基調とした大きな部屋の中に、僕と同じようにベッドに横になったまま腕に針を刺されている人がたくさんいる。
ときどき暇なとき、こんな風に献血に来る。献血ルームでは、一切何もしなくてもいい、というのが良い。
血管さえ提供すれば、寝転がってテレビを見ながらジュースを飲んでいるだけで、感謝されて丁寧に扱ってもらえる。そんな場所は他にない。
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猫を撫でて一日終わる
人と話すのが苦手だ。ご飯を食べるのが面倒だ。少しだけ人とずれながら、それでも小さな幸福を手にしたっていいじゃないか。自分サイズの生き方の記録。