飲み会などで人と長く喋ったあとは、しばらく外を一人で歩くことにしている。ひと駅分かふた駅分くらい、意味もなく歩いてから電車に乗る。そうしないと、ざわついた頭の中が静かにならないからだ。
居酒屋の店内、壁一面に貼られたメニュー、店員が注文を取る声、いろんな人たちが話すさまざまな話を聞きながら初対面で名前もあやふやな人たちの顔と名前をなんとか覚えようとしていると、隣のテーブルから聞こえてくるジョッキとジョッキがぶつかる音、ネクタイをゆるめる背広の男たち。
そうした場は楽しいといえば楽しいのだけど、受け取る情報が過剰すぎて、しばらくいると神経が疲れてしまって、頭の中がごちゃごちゃして落ち着かなくなってきてしまう。そんなときに神経をなだめるのには、歩くのがいい。
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猫を撫でて一日終わる
人と話すのが苦手だ。ご飯を食べるのが面倒だ。少しだけ人とずれながら、それでも小さな幸福を手にしたっていいじゃないか。自分サイズの生き方の記録。