落語家・桂竹千代さんのふざけっぷりが増しに増し、爆笑の迷宮に入り込んだ「古事記」解説。
またまた出てきた、スサノオノミコト。
この人は、オオクニヌシの6代上のご先祖様なのですが、自分の娘と恋仲になったオオクニヌシが気に入らなくて、大人気なく、オオクニヌシをあの手この手でイジメ抜きます。
イタズラの奇才・スサノオの、斬新なイタズラをお楽しみください!
* * *
第12話「醜いヤツめ」
オオクニヌシは、ヤソガミから逃れて、はるばる根之堅洲国までやってきます。
そこで出会った美女が、須勢理姫(スセリビメ。以下、スセリビメ)です。
見つめ合う視線のレーザービーム……結婚! (猛スピード婚!)
スセリビメは何とスサノオの娘でした。
オオクニヌシはスサノオの6世の孫なので、大大大大オバさんてことですね(キングオブ熟女好き)。
スセリビメ「お父さん! すっごいイケメンいたの! この人ほら、かっこ良くない?」
スサノオ「何? どれ見せてみろ……おー、こいつはおれの子孫の葦原色許男(アシハラノシコオ)だ」
この葦原色許男っていうのは、醜い男って意味らしいです。
自分の子孫に会うなり「醜い男め」って、なかなかの先制パンチ。自分の娘が寝取られたのがイヤだったんでしょうね。しかも相手は、自分にとっても遠い親戚だし。
スサノオ「よし、ここで寝ろ、醜い男」
と通された所は、蛇がいる部屋でした。
オオクニヌシ「イヤーン! 蛇キライ蛇キライー! こんなところで寝られないわよー!」
スセリビメ「あなた! 急にオネエコトバにならないで。蛇がもし襲ってきたら、この布を3回振り払えば蛇はおとなしくなるわ」
オオクニヌシ「うそ~? ホントに?……じゃ(蛇だけに)、やってみるね」
ヘビ「シャー!!」
オオクニヌシ「おりゃっ!! 布ぶん回すぞ!(湘南乃風みたいにな!)」
布を3回振り払うと、蛇はおとなしくなーる。
安心してオオクニヌシはぐっすり!(でも横に蛇いたら、普通はこえーよね)。
次の日。
スサノオ「よーし! 醜い男! 次はこの部屋で寝ろ!」
今夜は、ムカデとハチの部屋がいる部屋でした。
オオクニヌシ「やーん! ムカデきもい! ハチコワイー! やんやんやーん!」
スセリビメ「ほれアンタ、またオネエ出ちゃってるわよ! 昨日と同じように3回振り払いなさい。大丈夫だから。ビービー言わないの(ハチだけに)!」
オオクニヌシ「わかったよくそー!」
ムカデ&ハチ「ワシャワシャ&ブンブンブーン!(ハチが飛ぶ♪)」
オオクニヌシ「うりゃー! アンコールにお応えして睡蓮花!(ⓒ湘南乃風)」
布を3回振り払うと、ムカデとハチがおとなしくなーる。
そしてオオクニヌシ、ぐっすり(いやだから、横にいたらこえーって。意外と芯強いよあんた)
次の日。
スサノオ「よーし! 今日はどうイジメよっかなー!」
オオクニヌシ「はっきりイジメるって言っちゃったよ! こうなるとおれはサッカー選手みたいなもんだよ」
スセリビメ「どゆこと?」
オオクニヌシ「どちらもシュウトで苦労する」
スセリビメ「……お父さん、コイツ、もっとイジメちゃって!」
オオクニヌシ「うそ~ん、うまいこと言えたじゃーん」
なんて言いながら(言ってないよ!)、スサノオは矢を野原に射って、それをオオクニヌシに拾わせます(犬かよ)。
オオクニヌシ「ワンワン、拾いましたー!」
とオオクニヌシが戻ろうとすると、スサノオは野原に放火!
オオクニヌシ「いや、もう殺す気やん! どいつもこいつも~」
とにかく逃げまくるも、火の手が追ってきます。
今回は頼みの妻のスセリビメも近くにいません(ショッピング行っちゃったのかな)。
オオクニヌシ、万事休す!
……とそこに、1匹のネズミが現れます。
ネズミ「地面を踏んで!」
オオクニヌシが地面を思い切り踏み込むと、土の中へズドン、と落ちる。
その間に火が通り過ぎて九死に一生を得ます(何度も生き返ってるけどね)。
ネズミに助けられるなんて○ィズニーみたいじゃない!(夢の国!)
ちなみに、このネズミのサイズ、大きいか小さいかわかります?
正解は……チュー(中。どうだ!)
一方、それを知らないスサノオ達は、
スサノオ「……死んだか」
スセリビメ「……お父さん! 何てことを! イジメにしても、火はやり過ぎよ! えーんえーん! とりあえず葬式の支度しましょ(受け入れ早っ!)」
2人が焼け跡に様子を見に来ると、そこにいたのは矢を握りしめたオオクニヌシでした。
スセリビメ「……ぎゃー!! 出たー! オバケー! ナンマンダブナンマンダブ」
オオクニヌシ「いや生きとるわ! てか、神が念仏唱えるなって」
スセリビメ「……え! ホントだ! 足がある! 生きてたのね! 良かった! 絶対生きてるって信じてた!」
オオクニヌシ「いや、ガッツリ葬式道具もっとるやーん!」
スセリビメ「いやっ!……これはっ……そうよね、あなたが死ぬわけないわよね(死んでもお母さんが生き返らせてくれるしね)」
オオクニヌシ「そうだよ、オマエを幸せにするまでは死ねないよ!……ってね」
スセリビメ「んもーう! バカバカ! ほんっとに心配したんだから!」
オオクニヌシ「でもお前の、オレを見つけた時の顔は傑作だったな!……ぎゃー! 出たー! オバケー!って」
スセリビメ「ちょっとやだー! マネしないでよー!……あはははは!」
オオクニヌシ「あはははは!」
オオクニヌシ&スセリビメ「アハハハハ!」
スサノオ「これにて一件落着だな!」
オオクニヌシ&スセリビメ「お前が言うな!」
さて、スサノオによるオオクニヌシイジメはまだまだ続きます。
アマテラスにも斬新なイタズラしてた奇才・スサノオなので、イジメ方も画期的です!
ます。
落語DE古事記
神社に行けば、私たちは神様にありとあらゆることをお願いしますよね。商売繁盛に合格祈願に延命長寿に縁結びに厄除けに……。
でもちょっと待って。こんなに頼りにしてる「神様」のこと、ちゃんと知ってますか?
神様について書いてあるのが「古事記」です。歴史の教科書でも最初の方に出てくるので、「古事記」について聞いたことのない人はいないと思いますが、でも何が書かれているかまで説明できる人って、少ないんじゃないでしょうか。
そこで、大学院まで古代史を専攻していた落語家の桂竹千代さんに、「古事記」を楽しく解説していただくことにしました。
爆笑注意ですから、静かな場所では読まないようにしてくださいね!
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