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さすらいの自由が丘

2019.07.27 公開 ポスト

ほっぺの重い夏今村三菜(エッセイスト)


どうして私は、こんなことになってしまったのだろう。

ついに父(リハビリ病院に入院中)と弟の体重を追い越してしまったのだ。

 

私の顔は、普通にしていると、口角がものすごく下がっていて、悲しそうな顔に見えるので、母に「口角を上げてなさい」と注意されるが、もう、頬っぺたが重くて、いちいち口角も上げていられない。

横向きになって鏡を見ると、どこが、首と顎の境目がわからなくなった。巻き尺を出して、バストとウエストを測ってみたら、同じ数字だった。ダラーンと垂れ下がるのが、格好良かったブレスレットは手首にガッチリと固定され、右手の中指の指輪のサイズは、18になっていた。

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さすらいの自由が丘

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今村三菜 エッセイスト

1966年静岡市生まれ。エッセイスト。仏文学者・詩人でもある祖父・平野威馬雄を筆頭に、平野レミ、和田誠など芸術方面にたずさわる親戚多数。著書に『お嬢さんはつらいよ!』『結婚はつらいよ!』(ともに幻冬舎)がある。

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