売り上げトップ販売員から接客アドバイザーに転身した平山枝美さんの最新刊『あの人だけが、なぜ売れるんだろう? 売れる販売員になる30のこたえ』が3月18日に発売しました。現役販売員の方から平山さんの元に多く寄せられる“接客の悩みや疑問”を取り上げ、すぐに実践できる解決法をご紹介しています。
コロナウィルスの影響で、お客様のいない時間が増え、暇疲れしている販売員の方も多いのではないでしょうか。そんな時間を有効に使うテクニックを本書よりお届けします。
Q.暇な時間に、何をすればいいかわかりません。
お客様がいない時間が続くと、さすがに暇。店の掃除はやりつくしたし、商品の配置を変えてみるのも限界。お客様が入りやすいようにするには、テキパキ動いた方がいいのはわかっているけれど、何をしていればいいのかわからない、という声が売り場から聞こえてきます。
A.商品の特徴を3つ考える時間にしましょう。
お客様がいない間は、商品知識を増やし、接客に備える時間にしましょう。
小さなノートをポケットに入れておいて、商品を見ながら特徴を考えてみます。「このワンピースは丈が長い。ゆったりしている。シワになりにくい」。当たり前のことですが、これをメモしておきました。
すると、作業をしていると思ったのかお客様がそっと入店してきました。私が特徴を考えていた商品を手に取ったので、先程メモをしたことがぱっと頭に浮かび、以前よりも詳しく特徴を話すことができました。どれも当たり前のことですが、いざ接客中に言おうと思ってもなかなか出てこない言葉だったので、私自身とてもびっくりしました。
このように、当たり前のことでも、頭が真っ白になってしまいがちな接客中は、なかなか言葉が出てこないものです。お客様がいない暇な時は商品の特徴を3つ挙げられるようにして、接客に役立てましょう。
レジではなく売り場でできる取り組みなので、接客に切り替えやすいのもいいところです。
3つの特徴を考えると言っても、ずっとそればかりだと単調で飽きてしまうことがあります。そんな時は、3つの特徴からさらに考えを深めてみると、よりお客様の心をくすぐる一言を用意できます。
例えば、フルーツケーキがあったとします。3つの特徴は「日持ちする」「甘さが控えめ」「大きいので皆で食べられる」ということ。次に、このケーキをどんなお客様にすすめたいのかを考えてみます。
ここではお孫さんのためにケーキを買おうとしている方をイメージします。
・「日持ちする」→お孫さんがいらっしゃる日が少し先でも大丈夫
・「甘さが控えめ」→甘いものが苦手なご家族がいても大丈夫
・「大きいので皆で食べられる」→人それぞれ大きさを変えられる
このように、なぜそれをすすめたいかを説明できれば完璧。お客様に合わせた言葉がすぐに出てくるようになります。
(1)3つの特徴を考える
(2)どんなお客様にすすめたいかを頭に浮かべる
(3)なぜそのお客様にすすめたいのかを考えてみる
この流れです。店に誰もいない時間を使って、お客様とのトークを準備しておくと、言葉が出なくて焦ったり、接客が終わった後に「あれを話せばよかった」と後悔したりせずに済みます。
他にも、次のような備えをしておくといいでしょう。
・以前聞かれてうまく答えられなかったことを調べてみる
・コーディネート(洋服やインテリア)をしながら、心の中でトークをする
・商品のメンテナンスをする(ホコリを払う、毛玉を取るなど)
お客様がいなくて暇だけど、事務仕事をすると接客しづらくなる時はあるものです。売り場にいながら、トークや質問、会話のネタなどを準備しておくと接客に役立てることができます。
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『あの人だけが、なぜ売れるんだろう? 売れる販売員になる30のこたえ』にはお悩みとその解決法をまとめた「売れる販売員になるための目標達成チェックシート」(229ページ掲載)がついています。得意なところと苦手なところがはっきりしてくるので、接客の見直しに役立ててください。
あの人だけが、なぜ売れるんだろう?1ヵ月で売れる販売員になる30のこたえ
接客アドバイザー・平山枝美さんの最新刊『あの人だけが、なぜ売れるんだろう? 1ヵ月で売れる販売員になる30のこたえ』試し読み。