2020年はコロナ禍の影響が大きく、学習シーンも危機を迎えたと考えている人も多いかもしれません。
でも、才能の本質を知れば、そんな不安も吹き飛びます!
『ビリギャル』を大成功させた坪田先生が書いた話題の本『才能の正体』が、このたび文庫になって登場です! お手軽価格で家計にやさしい、でも、内容はお墨付きの一冊です。
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「才能がある人」とそうじゃない人
僕が本格的に「才能」について研究を始めたのは、アメリカの大学に留学していたときです。
確かに、小学生のときの僕は勉強ができる方でした。しかし、学力との相関関係が高いはずのIQは、とびきり低かった。「IQテスト成績改ざん事件(!?)」がある以上、“僕にはもともと才能があった”というのは錯覚だったわけです。そんなわけで、才能とは何だろうと、ずっと考えていました。
大学で心理学を学び、人間の心の動きについて様々な知識を習得した僕は、日本へ帰国してから学習塾の講師を務めました。
そこでまず取り組んだのが、「才能がある/ない」「頭がいい/悪い」「地アタマがいい/良くない」というように二元論的に人を分ける考えは間違いだ、ということを証明することでした。誰もがついつい、こうやって言葉で分けてしまいがちです。しかし、そんなに簡単にどちらかに割り切れるものではないはずです。
証明するためには、きっちりデータを取り、数字などを使って明確に示さなくてはなりません。そこで僕がやったのが、塾での指導の記録を全部取ることでした。
生徒さんにどんな課題を与えたのか。その結果がどうだったのか。そこでどんな声かけをしたのか。面接で何を話したのか。最終的な合否はどうだったのか。もうありとあらゆることを記録していったのです。『ビリギャル』が書けたのは、この蓄積があったからです。
僕はたくさんの生徒さんと出会ってきたので、「勉強ができる子」も「できない子」も「勉強しているけれど成績が伸びない子」も「急激に勉強が好きになった子」も「うちの子はやる気になればできると思っている親御さん」も見てきました。
そうしているうちにいろんなケースが集まってきて、気づけば1000人以上のデータが取れていました。
そのデータを丹念に見返してみると、塾へ来た最初の段階で「才能がない」「地アタマが良くない」「頭が悪い」「やる気がない」と言われていた生徒さんでも(そう決めつけるのは、たいてい親御さんです)、一流大学に合格しているケースがたくさんあったのです。
こうして、かなりの人数分のデータを丹念に見ていって、僕は確信しました。
それは、才能というのは、結果でしかないということです。
どういうことか、ご説明しましょう。
いわゆる「才能がある」と言われている人たちがいますよね。彼ら、彼女らには共通点があります。
それは、みんな努力をしていることです。
多くの人は、“あまり努力をしなくてもできちゃう人”のことを「才能がある」と言いがちではないでしょうか。
でも、その考え方が根本的に間違っていることに、僕は気づいたのです。
人間というのは他の動物に比べて本質的にもともと頭が良くて、脳の構造から見てもとても優秀です。つまりすべての人が、優秀と言われる可能性をもともと持っているのです。
だとしたら、いったいどこで差がつくのでしょうか。
たくさんの子どもたちを見てきて言えるのは、勉強のやり方が間違っていたり、うまく継続できなかったり、動機付けができなくて意欲が湧かなかったり……など、いろいろな理由で、上達していかないことがあるんだということです。
いきなり本質的なことを言いますが、自分に合っていない、ふさわしくない場所でいくら頑張っても、物事は身につきません。
「才能がある」と言われている人たちは、
“その人に合った”動機付けがまずあって、
そこから“正しいやり方”を選んで、
“コツコツと努力”を積み重ねている。
そしてきっちりと結果を出して、そのときに初めて「才能がある」という状態になる。正確に言えば、「才能がある」と言われるようになる 。
周りの人たちは、その人が“努力してきた部分”をすっ飛ばし、目に見えている結果だけを見て「だって地アタマがいい人だからでしょ?」「才能のない自分にはできるはずがない」「才能は生まれつきだから」と頭ごなしに決めつけてしまいます。
しかし、それは間違いです。
「氷山の一角」という言葉がありますが、水面よりも上に出ている部分は、全体の約1割だと言われています。その下の9割に、血の滲にじむような努力があってこそ、氷は浮いていられるのです。
才能の正体
コロナ禍は、学習シーンにも大きく影響し、休校になったり、授業がオンラインになったりした。学校の授業だけでなく、塾も、部活も、コロナ前の体制に戻るには時間がかかりそうだ。いや、そもそも、戻らないのかもしれない。
でも、だからといって、能力を伸ばせなくなったわけではない!
「才能の本質」について知れば、体制に関係なく、能力を伸ばすことはできる。
学年ビリのギャルが1年で偏差値が40も上がり、慶応大学に合格できたのは、坪田先生との出会いのおかげだが、その『ビリギャル』の坪田先生が、「才能とは何か」について余すことなく書いたのが、ベストセラー『才能の正体』。
その『才能の正体』が文庫化されました! 文庫化記念で、本文を公開します。
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