経営者、投資家はもちろん、一般のビジネスパーソンも常識として最低限は押さえておきたい決算書の読み方。しかし予備知識なしには理解するのが難しく、挫折してしまった人も多いでしょう。そんなあなたの心強い味方になるのが、『はじめてでもスラスラわかる3色ペンで読む決算書』。青(資産)、赤(負債)、緑(純資産)の色分けで、視覚的に、瞬間的に理解できる画期的なメソッドです。3色ペンを手に、ぜひためし読みしてみてください!
* * *
どこにどう表示されているのか?
ここまでBS、PL、キャッシュフロー計算書と、3つの決算書を見てきました。
それぞれの決算書は、「四季報」ではどのように表示されているのでしょうか。
株式投資や就職活動の際に活躍する四季報には、上場している会社の決算書の情報が含まれています。
四季報は、会社の決算書の情報のみならず、株主の情報、業績予想、株価の動きを表したチャートなど様々な情報を含んだ、持ち運び可能な企業のガイドブックです。プロ野球に選手名鑑があるように、四季報は会社の名鑑なのです。
なお、四季報は紙面上のスペースが限られているので、会社を分析するのに最低限必要な情報だけを載せています。
第1章から第3章までで学んだ決算書の全ての情報が載っているわけではないので、ご注意下さい。
・BS
四季報の【財務】という欄に、総資産が表示されています。総資産とはA(資産)の合計額で、流動資産や固定資産などを合わせた数字です。
次に、B(負債)は有利子負債に表示されています。
有利子負債とは文字通り、利子を払わなければならない借入金や社債のことを指します。
第3章の3で紹介したソフトバンクのように、戦略があって有利子負債が増えるのはいいのですが、増えすぎると利息の負担が大きくなるので、注意が必要です。
C(純資産)は自己資本、資本金、利益剰余金に表示されています。
自己資本とは返済の必要がない株主の資本で、純資産とほぼ同じ意味です。
四季報では第1章のBSのCに入る(3)「その他」の一部が引かれて計算されるのですが、「自己資本は純資産とほぼ同じ」と考えておいて下さい。
ちなみに、BSのBは銀行など会社以外の外部からお金を入手することから、自己資本と対比させて他人資本と呼ばれています。
赤字が続くとせっかく貯めておいた「利益剰余金」がマイナス(▲印)になってしまいます。会社を分析する際には、利益剰余金がマイナスになっていないか注意しながら見て下さい。
・PL
四季報の【業績】という欄に記載されています。
「売上高」「営業利益」「経常利益」「当期純利益」の4つが表示されていますが、「売上総利益」と「税引前当期純利益」は表示されていません。
ここでは「営業利益」「経常利益」「当期純利益」が、何年も連続してマイナスになっていないか注意しながら見て下さい。
・キャッシュフロー計算書
四季報では【キャッシュフロー】という欄に記載されています。
「営業活動によるキャッシュフロー」は「営業CF」、「投資活動によるキャッシュフロー」は「投資CF」、「財務活動によるキャッシュフロー」は「財務CF」と表示されています。
営業CFが何年も連続でマイナスになっていないか注意しながら見て下さい。
はじめてでもスラスラわかる3色ペンで読む決算書
経営者、投資家はもちろん、一般のビジネスパーソンも常識として最低限は押さえておきたい決算書の読み方。しかし予備知識なしには理解するのが難しく、挫折してしまった人も多いでしょう。そんなあなたの心強い味方になるのが、『はじめてでもスラスラわかる3色ペンで読む決算書』。青(資産)、赤(負債)、緑(純資産)の色分けで、視覚的に、瞬間的に理解できる画期的なメソッドです。3色ペンを手に、ぜひためし読みしてみてください!