暮らし術
とある怪談作家の体験談。
三年ほど前に怪談作家のTさんは知人の別荘に子供と二人で滞在することになった。条件は知人が留守の間のペットの面倒を見ることだった。
海辺の近くにある高級別荘地に初夏に無料で滞在出来るということで、水着や浮き輪や日焼け止めを着替えの荷物と一緒に詰めた。
別荘主から送られて来た写真には、煌めく鮮やかな色の海と砂浜、BBQ場や白いパラソルが映っていた。
作家の頭の中には、砂浜で子と散歩して貝殻を拾ったり、水辺で波を触って遊んだり、気温が高ければ海で泳いだりした後に肉を焼いたり、かき氷を海を眺めながら食べる姿が浮かんでいた。
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