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結局だらしな日記

2021.08.08 公開 ポスト

地味なヲタ活に急展開!行って来ました北海道!!(7月12日~19日)藤田香織

7月14日(水)

明日北海道へ行くので、お土産に自分的この世でいちばん美味しいと思っているエシレのサブレ グラッセを渋谷のパティスリーへ買いに行く。場所的には新宿三丁目のお伊勢丹地下にも店はあるのだけれど、あえて少し遠出してみた(といっても同じ電車にプラス7分ぐらい乗ってるだけ)。いやー、緊急事態宣言下(4回目)の世の中が、どんな感じなのかな? と思って。

なぜ北海道へ行くことになったのかといえば、話は長くなる。長くなるけど、はしょって言うと、Travis Japanの全国ツアー最終公演のチケットを譲って頂いたからです!
ギャーーーー!(悶絶)

と言ってみたところで、ジャニーズ界隈に無縁な方は「へぇー、良かったね!」くらいに思われるでしょう。私だって半年前までならそう思ってた。いやむしろ「え? そんなライブのために北海道行くの? この状況下で?」と言いたくなってたかもしれない。っていうか、自分で自分に何度もそう問いかけてもみた。そりゃそうだ。

でも、だけど。このチケットってやつがですね、もう全然当たらないものなのです。なんか最近、この話ばっかりしてる気がするけど、とにかくジャニーズ・ジュニアのファンクラブ(情報局)というものに入って以来、ちょっと気になるなー、行ってみたいなー、と思う舞台やライブがあれば、申し込んではいるものの、まぁ当たらない。全然当たらない。もちろん、当たるっていっても、無料ではないわけで、一万円前後の金額を払って「買わせて下さい!」って言ってるのに、「あなたには売れません」と言われ続けてるわけですよ。なんなのその商売!

で、もちろんこの全国ツアーも「売れません」と断られ済で、なのに「なんかこう、高まるヲタ活をしたい!」と熱に浮かされたように、使うあてもないペンライトやうちわを買ったりもしていて、それをグズグズとTwitterで呟いたりもしていて(そんな状態を新規ハイと言うらしい)。
そーしーたーら! ある日! 突然!「賛成コン(ツアー名の通称)の最終公演を、御一緒にいかがですか?」というお誘いメールが届いたのだ。もう10年くらい何ひとつ更新もしていないほったらかしのHP「だらしな村」のメールアドレスを通じて。同じ内容で、インスタのメッセージからも連絡があって。いや、正直、えええーーー!? という驚きと共に、あたり前に迷ったし、世の中にそんなウマい話があるわけないだろう、的な意味で疑いもしましたよ?
でも、送られてきた文章はとても丁寧で、運よくチケットの抽選に当たったものの、コロナ関係で日程が2回も振替になり、公演日が平日になってしまったこともあって一緒に行くはずだった東京在住の娘さんの都合が付かず、このままだと空席になってしまう(2枚当たったチケットは1枚だけのキャンセルはできない)ので、もし良かったら藤田さん、私の隣でペンライトを振りませんか? という内容が、簡潔にまとめられていたのだ。
このだらしなも読んでくれていて、Twitter&インスタをフォローしてくれていること。同じ歳で北海道在住なこと。古参のヲタクではなく、去年からトラジャのファンになったので、近くにヲタ友がいないこと。結構な長文だったので、なんとなくその人となりは伝わってきたのだけれど、あ、いいな、と思ったのは「決して怪しい者ではありませんが、残念ながら怪しくないという証明ができません」という一文で、それでちょっと、あぁこれは、本当にただただ有難い話なのでは……!? と思えてきたのだ。

しかも「チケット代は既に振り込んであるので、大丈夫です。この御時世に北海道まで来て頂くことになる、心理的・金銭的な御負担も相当あると思うので」といったことも記してあって、いやいや、いくらなんでもそんなわけには、と思うものの「じゃぁチケット代金は相場の10万円でお願いします」てなことを言われる可能性もなさそう。
でも、それはそれで、なんか怖い。そんな幸運が我が身に起こる理由がわからないし、そんな良い人がこの世にいることを信じられない。いやでも、この状況ではTravis Japanをこの目で見る機会なんて永遠に巡って来ないかもしれない。いやいや、だけどよ? いきなりのジャニーズ現場で北海道って! しかも会ったこともない人と同行するって!
ハードルが、もう棒高跳びのバーくらい高い。もうそれハードルですらないし!

と、迷いに迷った挙句、ジャニヲタ歴37年(以前適当に書いたら本人から訂正が入った)の現・キンプリ平野担の友人Yに相談(私の数少ない友人のイニシャルはほぼほぼY)したところ「それは這ってでも行くべきです。特にツアーの最終公演は格別です。そんな幸運は二度とないと思うべきだし、その話には騙されるリスクがほぼありません」と即、返事があった。落ち着いて考えると確かにそうだ。私を騙して北海道へ呼び寄せたところで、何の得もないわけで、そうか、そうだよね、確かに! と心が決まり、「ぜひ、よろしくお願いします!」と返事をしたのが約2ヵ月前のことになる。

以来、誘ってくれた糸ちゃん(仮名)とはメール→ラインでヲタ話をやりとりし、名前や住所も交換し、私は飛行機とホテルを手配し、明日、北の大地へと飛ぶことになった、という次第である。……長い!
そんなわけで、明日は北海道へ行って参ります。
もちろん、いろいろと思うことはあるけども行ってきます。
猫ズはママリンに託しました。飛行機乗るの3年ぶりくらいかも!

飛行機は、機材変更でギチギチかつ羽の真上でした。事前の座席予約の意味って…?
一方、貸し切りだった、札幌駅からのホテルのシャトルバス。これはこれで、申し訳ない!って気持ちになるなるー

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藤田香織

1968年三重県生まれ。書評家。著書に『だらしな日記 食事と読書と体脂肪の因果関係を考察する』『やっぱりだらしな日記+だらしなマンション購入記』『ホンのお楽しみ』。近著は書評家の杉江松恋氏と1年半かけて東海道を踏破した汗と涙の記録(!?)『東海道でしょう』。

Twitter: @daranekos
Instagram: @dalanekos

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