最近、実家に帰ると、母は納戸の物をどんどん捨てている。私は、それを見るのが、とても寂しい。そんな母に、「これ、いるなら、東京に持って帰って」と一冊の古びた本を渡された。
母が書いた私の育児日記だった。赤い葡萄色の表紙に銀色の文字で、「育児記録 静岡国立病院」と書いてあった。もう綴じてある部分がボロボロで、裏表紙が取れそうになっている。
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さすらいの自由が丘
激しい離婚劇を繰り広げた著者(現在、休戦中)がひとりで戻ってきた自由が丘。田舎者を魅了してやまない町・自由が丘。「衾(ふすま)駅」と内定していた駅名が直前で「自由ヶ丘」となったこの町は、おひとりさまにも優しいロハス空間なのか?自由が丘に“憑かれた”女の徒然日記――。