ウクライナ危機で今関心が高まっているロシア。そのロシアと日本は、どんな関係にあるのか。最新の社会科(地理、歴史総合、公共、日本史、世界史、政治・経済、倫理)から多角的に解説します。第2日目は「歴史総合」。
好評発売中の『1日1ページで身につく!歴史と地理の新しい教養365』から一部を試し読みとしてお届けします。
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欧米列強はなぜ日本に接近してきたのか
欧米では、17世紀にイギリス革命、18世紀後半にアメリカ独立革命、フランス革命などの「市民革命」が続き、封建的な支配関係が打破されます。ただし、ロシアでは皇帝(ツアーリ)の専制が続き、20世紀になるまで革命は起きません。
また、市民社会の成立を前提に、18世紀後半以降、イギリス・ベルギー・フランス・アメリカ・ドイツで順に工業の機械化が進められ、「産業革命」を達成。原料供給地&製品販売市場としての植民地や交易拠点獲得の必要性を感じていました。アメリカに関しては、北太平洋漁場における捕鯨(ほげい)船の寄港地も必要でした。
このように世界情勢が変化する中で、19世紀前半を中心に欧米の外国船が日本近海に接近し、江戸幕府は対応に追われることになります。
面白いのは、1739年以降、18世紀の段階で他国に先駆けて頻繁に来航したのが、ロシアだったということ。彼らは、冬でも凍らない不凍港や、ラッコを中心とする毛皮の交易相手を求め、極東に進出していたのです。
(第3日「公共」へ続く)
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