ウクライナ危機で今関心が高まっているロシア。そのロシアと日本は、どんな関係にあるのか。最新の社会科(地理、歴史総合、公共、日本史、世界史、政治・経済、倫理)から多角的に解説します。第3日目は「公共」。
好評発売中の『1日1ページで身につく!歴史と地理の新しい教養365』から一部を試し読みとしてお届けします。
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国家の領域(領土・領海・領空)はどこからどこまでか
国家は、国民・領域・主権という「国家の三要素」により成り立っています。主権とは、他国に干渉・支配されず、内政や外交の方針を決定する権利です。
国家の主権が及ぶ範囲である領域は、領土・領海・領空からなります。領土の干潮時の海岸線から12海里〔約22㎞〕(1海里=1852m)までの海域が領海で、領空は、領土と領海の大気圏内の上空です。南極大陸や宇宙空間は、人類共通の資産としてどの国の領域にも属しません。
領海の外には、海底の大陸棚(陸地周辺に広がる深さ200mまでのなだらかな海底)を含む排他的経済水域〔EEZ〕(領海の外側でかつ海岸線から200海里=約370㎞までの水域)があります。排他的経済水域では、水産資源(魚介・海藻)や海底の鉱産資源(燃料・鉱物)を開発・保全する優先的な権利が、沿岸国に認められています。
日本は、領土面積も世界約200カ国中61位と、決して「小さな島国」ではないのですが、領海・排他的経済水域を合わせた海洋面積は、なんと世界6位の広さなのです。シーパワー!
(第4日「日本史」へ続く)
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2022年4月23日14時半から、伊藤賀一さんの刊行記念イベントを開催します(会場参加&オンライン)。詳細・お申し込みは幻冬舎大学のページからどうぞ。