方眼メモを使う、ペンの色は基本2色、メモは3列で書く……。40代半ばから、たった1年で「記憶力日本チャンピオン」になった池田義博さん。著書『記憶力日本一を5度獲った私の奇跡のメモ術』は、「メモをとっても忘れてしまう」「仕事の効率が上がらない」「集中力がない」「いいアイデアが浮かばない」といった悩みに応える、独自のメモ&ノート術がつまった一冊です。そんな本書から、効果てきめんのノウハウをいくつかご紹介しましょう。
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本は「外部記憶装置」のようなもの
ここでの読書とは小説やエッセーのような娯楽のための読書でなく、実用書に限定しています。
実用書なので新しい知識を吸収したり、スキルを身につけたりするためにじっくり時間をかけて読む人も多いかもしれませんが、私自身は、実用書を読むことに時間をかけません。自分で言うのもなんですが読むスピードは速い方だと思います。
速く読める理由は、私自身の本に対する考え方からきています。
私は本自体を外部記憶装置のようなデータベースとして捉えているのです。
そのため私の仕事場のデスクは書庫全体を眺められる位置にあり、アイデアのヒントが欲しいときはそれに関連がありそうな本を全体を見渡したなかから引っ張り出して参考にするということをしています。
そのような流れになっているので本の詳細な情報はあとから取り出せばよいという考えです。
しかし本をデータベース化するためにはあとで検索しやすいようにその本がどんな本なのかを把握しておかなければなりません。
その本が何を言っているかの全体の概念をつかんでおく必要があります。
意識するのは全体を通して流れているテーマと論理展開のみです。
そこに注目して読むことによって本全体の枠組みをつかむことができ、そのニュアンスを潜在記憶として頭のなかに残すことができるのです。
あとで本を検索するときにはこのニュアンスが非常に大事になってきます。
「あれ、この考え何かで読んだな」というときにそのニュアンスが手がかりとなり本を検索できるのです。
しかしそうは言ってもそれだけでは時間が経つと大事な箇所の記憶は薄れていきます。
そこでそれを防止するための対策を併用しながら読み進めていくのです。
付箋の使い方にはコツがある
その対策とは自分にとって重要だと思える箇所のページに付箋を貼ることです。
ペンなどで線を引いたりはしません。その時点で重要だと思えたことが読み返してみたらそうでもなかったということがよくあるからです。
一度ペンで線を引いてしまうと消せず、たとえ消せる機能のあるペンを使ったとしても案外消すのには手間がかかります。
そうして本文中に線が乱立していると後々データベースとして使う場合、情報量が多すぎて必要な情報を抽出するのが面倒です。
その点付箋であればすぐにはがすことができます。こうして貼ってはがす、を繰り返したあとに残された付箋の箇所は自然と重要度が高い情報になっていくのです。
こうしてその本の全体像をつかむ意識を持ちながら付箋を貼っていくのですが、この読書法は読み終わってからする作業が一番重要です。
本の1ページより一回り小さいメモを用意します。
普通の紙でもよいのですが、本の最初のページに貼る必要があるのであらかじめ糊がついている付箋があると便利です。
今ではサイズが大きい付箋がいろいろ販売されているのでよければ調べてみてください。
本を読み終わったあとにこの付箋に情報を書き込むのですが、最初の数行には本全体の概略を書きます。
次に付箋を貼った重要箇所を記入するのですが、記入する内容はページ数と重要箇所の情報を圧縮し、なるべく短く「キーワード」「概要」だけを書き込みます。
短い「感想」などもおすすめです。
本の読み方をこうした流れにしておけば、あとで「あれ、これについて読んだことがあるぞ」というときに、まずはそのニュアンスから本を見つけ出すことができ、最初のページの付箋に書き込んだメモから本の内容の記憶を鮮明に思い出すことができます。
こうして本が知識のデータベースとして役に立ってくれるというわけです。
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