電気代や食品の価格高騰など、値上げラッシュが続く昨今。家計への影響は大きく、節約を始めた人も多いのではないでしょうか。中でも「食費」から節約をスタートさせる人がほとんどのようで、手作りに移行する人や自炊する人が増えています。
去年の暮れのSNSでは、クリスマスケーキを手作りすると、どれほど節約できるのか検証した人の投稿が話題に。市販のケーキ1ホールの相場は大体3000円~5000円と出費がかさみますから、どのくらい費用を抑えられるのか確かに気になるところですよね。
実際に投稿した人は、「市販のクリスマスケーキの3分の1程度の価格に抑えられたが、製菓の技術をある程度持ち、自宅に機材があり時間も確保できる人でないとお勧めはできない」という結論にいたっていました。同時に「技術を持たない人は、差額を技術料として素直に支払ったほうがラク」といった見解も。
安く済むけどかなり時間や技術を要したため、一概に「手作りがいい」とは言えないようですね。手作りすれば大半は安く済む印象ですが、時間や手間を考えるとコスパが悪い場合もあります。
とはいえ、たまに食べたいお菓子やケーキはプロにまかせてもいいとして、日々の食事はやはり自炊がコスパ的にもいいのでしょうか。そこで今回はみんな大好き定番料理「ハンバーグ」で、手作りしたほうが安いのかどうかを検証してみることに。安さだけではなく、どれが一番満足度が高いのかも加味して検証します。
まずは、冷凍食品や出来合いのハンバーグをチェックしていきましょう。
冷凍食品売り場に行くと、ソースも多様なハンバーグがずらり。焼くだけのものや電子レンジで解凍するものなど、かなり豊富なラインナップです。値段は2~3個入りで、約300~500円程度。チーズ入りや和風など、味の種類も幅広く展開されているので、気分に合わせて食べたいハンバーグを手軽に自宅で味わえることができそうですね。
筆者は、とりあえず冷凍食品コーナーから離れ、そばにあった出来合いの少し安めの焼き上げハンバーグと、
少々お高めなタスマニアビーフ100%のハンバーグステーキを買物カゴへ。せっかくなので、両者に明確な味の違いはあるのかどうかもみていきます。
どちらも中に火が通るまでしっかり焼くだけなので、料理の手間はほぼナシ。焼きすぎると焦げてしまうので、塩梅が難しいのですが、これは手作りハンバーグでも同じことですね。
気になるお味はというと……、集中して食したものの、筆者の味を見極める能力の問題かもしれませんが、出来合いのものに明確な違いはあまり感じませんでした。どちらもファミリーレストランなどのハンバーグに近い味といった印象です。やや高いほうのタスマニアハンバーグだけでなく、よく見ると両者ともに外国産のお肉を使っているからなのでしょうか…… 外食のハンバーグは手作りだと中々表現しにくい味なので、自宅で外食気分を味わいたい人にはおすすめかもしれません。
どれを買おうかいろいろ迷った冷凍食品のハンバーグのほうも試してみました。味に関しては前述の出来合いハンバーグとさほど変わりなく、どちらかというと冷凍食品のほうが家庭で食べるハンバーグに近い印象です。冷凍食品のいいところは、「レンジで◯分温める」などと時間が明確に決まっていること。また、フライパンが必要ないので洗いものも少なくて済みます。値段も比較的お手頃で、焼くだけのものよりも日持ちするところも嬉しいポイントです。
続いて、手作りハンバーグは出来合いのものと同じハンバーグ2個分の材料を用意。すべて国産にこだわってみました。牛豚ミンチ200グラム(約400円)に、タマネギ3個入200円(1個あたり約66円)、つなぎは卵とパン粉が一般的ですが今回はヘルシーな絹豆腐150グラム(90円)を使用することに。その他に必要な牛乳や塩コショウ、ケチャップなどはすでに自宅にあるもので済ませました。新たに買う必要があった材料費の合計金額は、タマネギ3個分も含め約700円。この金額だけ見ると出来合いのものよりややお高くなっていますが、タマネギは3個も使っていないので、出来合いのものと大差ない金額感です。
ほかと同じ1個100gくらいに成形して焼き上げ、完成した手作りハンバーグがこちら。冷蔵庫に余っていたシメジもついでに消費して、目玉焼きも一緒に添えてみました。
肝心の「手作りのほうが安く済むのか」というところですが、前述のとおり手作りのほうが購入した全体の材料費だけで考えると高くなります。ただ、ハンバーグ1個あたりに換算すると出来合いのものと値段は変わりません。もちろん、つくる手間を考えると出来合いのほうがラクチンですね。そしてコスパで単純比較すると、値段も安くて解凍するだけの冷凍食品のハンバーグが一番良いと言えます。
個人的な感想ですが、安心感や他の料理に応用できるという点では手作りに軍配が上がりました。材料を自分で選べるので何が使われているか把握できると、より安心して食べられますし、余ったタネや材料は他の料理に使うことができるので、一石二鳥です。ただ前述のとおり、料理の手間や値段で見ると、手作りより、冷食や出来合いを選択したほうがコスパは良いので、なんでも自炊にこだわらず、目的に合わせて使い分けると良いでしょう。
終わりの見えない値上げラッシュ。この機会にぜひ、コスパの良い料理を探してみると面白いかもしれませんよ。
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