日本の婚姻制度とは、民法で定められた条件を満たした男女が、同じ姓となり、ともに協力しながら暮らすこと。それによって、法的、社会的、経済的な手当てを受けられるようになります。つまり、これが法律婚。
その一方、ともに協力しながら暮らすことを望んでも、「名字を変えたくない人」や「相手が同性」であれば、婚姻制度から外され、パートナーの相続権や年金、医療、税の控除等の権利も得られず、さまざまな不利益を被ることになります。
こうした不平等への疑問や変革への要望、夫婦別姓や同性婚の実現に向けて賛成する世論も高まってきてはいます。しかしその目の前にある“壁”とは具体的にどういうもので、それは、私たちの前にどう立ちはだかっているのでしょうか。
このたびの「結婚って何?」特集第二弾は、結婚を国が定めた制度の面から考えていきます。「法律婚」「事実婚」「同性カップル」の比較から、同性婚、選択的夫婦別姓の現状などを海外の事情も交えてお届けします。
世界の流れに乗り遅れないことは大事ですが、本質的な問題は、同じ国の中で権利を利用できる人とできない人がいること。その不平等を解消する第一歩は、やはり自分たちの現状をもっと知ることから始まると思うのです。
<ご寄稿、試し読み予定>
諸岡亜侑未さん「事実婚ってぶっちゃけどんな感じ?」/寺田和弘さん「なぜ同性婚が必要か」/栗田路子さん、冨久岡ナヲさん、プラド夏樹さん、田口理穂さん、片瀬ケイさん、斎藤淳子さん、伊東順子さん『夫婦別姓 家族と多様性の各国事情』(ちくま新書)/阪井裕一郎さん『事実婚と夫婦別姓の社会学』(白澤社)……他
結婚って何?
<第一弾>事実婚や別居婚、別姓に向けたペーパー離婚など、典型的な結婚制度や生活スタイルに不自由を感じ、自由な形を模索する人が増えてきている今、あなたにとっての「結婚」とは。
<第二弾>社会の意識の変化、要望があっても、“選択的”夫婦別姓や同性婚の法制化が進まないのはなぜなのか。「夫婦同姓」でないと認められない権利や利益とは? 夫婦別姓の各国事情は? 婚姻制度の不平等を考える。
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