人気占い師、真木あかりさんの新刊『2023年下半期 12星座別あなたの運勢』(6月30日発売)より、全体運をご紹介します。
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全体運
想像以上の未来は、自分の手で手繰り寄せる。
お祭りと呼ばれるイベントがあります。この下半期運勢のテキストが世に出る頃は、わくわくしながら夏祭りを待ちわびている子どもたちもたくさんいることでしょう。クラシックなお祭りでは、よく昔ながらの屋台が出され、射的や輪投げなどのゲームを楽しむことができます。私も数年前、神社の夏祭りで「紐引き」というゲームをやりました。手元の紐を引っ張ると、その先におもちゃがついているというものです。かっこいいおもちゃもあれば、中身が見えない袋もあります。そのとき、私が引いた紐の先についていたのは──ラメがぎっしり入った、光るウ●コでした……。
「いったい何を読まされているのか」とそろそろ心配になってきた方もいらっしゃると思うのですが、大丈夫です。あなたがご覧になっているのは、2023年下半期のウン、もとい運勢です。この下半期、あなたの目の前にはたくさんの紐が並びます。何につながっているかはわからない。けれど、引いたら引いただけ面白い世界が広がっている、とびきりの紐引きです。
2023年下半期は、上半期とがらりと雰囲気が変わります。上半期が「狭く深く」だとしたら、下半期は「広く深く、大きく!」といったイメージです。上半期が「集中」だとしたら、下半期は「拡張」。いくつかの大事にすべきものに向けられていたまなざしは、パッと転換して広い世界へ、まだ見ぬものへと向けられるようになるのです。ここからは、どんな選択肢もアリなのだ──そう思っていて間違いありませんし、想像以上のことが頻繁に起こります。ただ、そういうものが目の前に現れても、あなたがスルーすればチャンスは誰か、他の人のところに行ってしまうのでしょう。言ってみれば、紐引きの紐がたくさん目の前にある状態です。紐を引くこととは、「この先には、きっといいことがあるのだ」と信じて行動をすること。そして、手にしたものがあなたの世界を広げてくれます。うんとわくわくして、紐を引いていけたら素敵です。
この「行動」を占星術的に説明すると、「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星の力を借りるアクションです。木星はまぎれもなく、私たちに幸運を運んでくれるラッキースターなのですが、何もしなくてもラッキーなことが起こる星ではありません。みずから行動を起こすことでチャンスが拡大し、幸運に恵まれるというのが木星の作用なのですね。紐引きの紐は、自分で手繰り寄せなければいけませんし、引き当てたおもちゃでどう遊ぶかは自分次第です。ここでラメ入りの光るウン●を連想してしまった方も多いだろうと思うのですが、私たちの未来は実に多彩で、ラメ入りの光る●ンコほど単純でもありません。既成概念にとらわれず、手にしたチャンスを思い切り楽しんでいくことで、想像以上の未来が待ち受けているはずです。
まだ見ぬ世界に、飛び込んでみたい
2023年下半期、紐の先には、どんなものがつながれているのでしょうか。これまでの自分だったらまず考えなかった選択がなされる時期です。アウェーな場所に遊びに行く、「自分は一生、こういうことと縁がないだろうな」と思っていた仕事へのチャレンジ。仕事でもプライベートでも、多様な可能性が見えてくるでしょう。
遠い場所と縁が深いときなので、海外の音楽フェスやスポーツのレースに参加する、という人もいるでしょうか。コロナ禍も明けたこの夏、海外旅行に出かける人も増えることでしょうが、特におとめ座の人にとっては運気アップにもつながるのですね。いつも以上に意義のある、素晴らしい機会になるはずです。
場所ばかりでなく、心理的に“遠い”人を指すこともあります。自分とはまるで違うバックボーンを持つ人との出会いはとても多いでしょう。海外出身の人はその代表的な存在ですし、今まではまるで接点がなかったような、異なるカルチャーの人と深く関わりを持つ可能性もあります。
世界が広がるのは、物理面ばかりでもありません。頭のなかの世界が広がることで、「生きるとはどういうことか」「愛するとは何をすることなのか」といった疑問が浮かび、哲学や心理学といった高度な学びに関心が向かう人も多そうです。大学院や専門性の高い講座に通い始める、なんて選択肢も、まさにこの時期のもの。ここでの学びは、勉強すればすぐに仕事や生活で役立つような、“正解のある学び”ではありません。そもそも役立てるという発想がありませんし、コスパにタイパ、メリット・デメリットなども関係ありません。ただただ深めたい、好奇心を満たしたいという欲求です。おそらく、正解は自分が見つけるものなのでしょう。
おそらくですが、ここでの学びが真に役立つときというのは、大きな岐路に立たされたり、想像もしなかったようなシチュエーションに途方にくれたりしたときです。正解などない、自分で意味を見つけることでしか前に進めない。そんなとき、ここでとことん掘り下げたことがふっと脳裏に蘇り、あなたの心を支えてくれるのでしょう。
こうした時期は、2024年5月末まで続きます。途中、10月末あたりに「自分らしい選択ができているか」という振り返りのタイミングが訪れます。もしも自分らしくない選択をしていた場合、ここで仕切り直すことになるでしょう。また、多忙だったり勇気が出なかったりして世界を広げるまで至っていない人も、この10月末でさまざまな気持ちに折り合いをつけ、前に進んでいくのかもしれません。
なお、ここまでをご覧になって「なんだかフワフワとして、ピンとこないな」と思われた方もいらっしゃるでしょうか。それは決して運気の流れに乗れていない証拠ではありませんし、この占いの内容がわかっていないということではありませんので、ご安心ください。おとめ座は、「現実」を生きる人々です。まだ見ぬ世界、知らない物事という持ちかけられ方をされても「では、具体的には?」などと思ってしまうことのほうが多いでしょう。もちろん未来は決まっているわけではないし、占いですべてがわかるとも思っておられないはずです。現実を見て判断し、確かめながら動きたいというのは本能にも似た心の動きです。
今はまるでピンとこなくても大丈夫です。ただもし、この下半期に紐らしきものを見つけたなら、思い切って引いてみてはどうかと思います。その先にはきっと、あなたが知らなかったとびきり面白い世界と、新たな可能性がつながれています。そんなふうに占いを使って動いてみることで、運というものを自分の味方につけることができるはずです。
自分を守ることができるのは、自分しかいない
ここまで書かせていただいたこととは別の流れとして、7月から8月は“強くある必要がある”ときです。「どこからどう見ても敵」という相手や難しい状況が出てくるだろうと思うのですが──と読んで「わあ嫌だなあ」と思われた方もいそうですが、案ずる必要はありません。この時期のあなたは、十分に受けて立てるくらいには強いのです。自分の力を信じて、こちらから猛攻をかけていくくらいの気持ちでいて大丈夫です。
というのもこの時期、対人関係においては「きちんと闘う」ことが、普段以上にクローズアップされているためです。現実問題として、闘うばかりが最善策ではない場合も多いものです。柳のようにするりとかわしたっていいし、一時的に相手に合わせることで乗り切れる関係もあるでしょう。そもそも、闘う必要のないテーマや相手であれば、わざわざエネルギーを消耗してまでその相手と関わりを持つ必要もないでしょう。それでも、この時期にあなたの前に現れる難敵とは、闘っておいたほうがいいのです。なぜか。それは、未来のあなたのためです。
ここで胸をはって毅然としていないと、声の大きい相手に負けやすくなってしまうのです。強引な人、組織のルール、勝手な社会、そういったものに。あなたのなかにも、「こういう社会で生きていきたい」という理想はあると思います。それをしっかりと抱きしめて、欲しいものは欲しいと言って、目の前の敵に挑んでおかないといけません。自分を守れるのは、自分だけです。理想を抱きしめることができるのは、自分の腕だけです。
といっても、「闘う」ということは、「えぐりこむように相手の脇腹を打つ」「一発殴って黙らせる」といったことではありません。拳はしまってください。キックもだめです。まさかそんなワイルドな方向に受け取っている方はいらっしゃらないと思うのですが、念のため。闘い方は人それぞれ、相手にもよりますね。「衝突を恐れることなく、言うべきことを言う」「おかしいことは、おかしいと抗議する」など、毅然とやっていかれれば十分です。大事なのは、自分の力を信じること。自分が正しいかどうかわからない場合は、本を読んだり人に相談したりして、意見を固めましょう。そうした作戦は、いつも以上に効率よく進むはずです。ひとりでは心もとない場合は、賛同者を集めたり味方を見つけたりするのもいいでしょう。安全にやるには、第三者に入ってもらうのも重要でしょう。素手で闘うばかりが、方法ではありませんよ(これはもののたとえなので、拳はしまってください)。
この時期のあなたにはちゃんと闘っていただきたいのですが、敵も厄介なだけの存在ではないと私は思うのです。まあ厄介は厄介なのですが、おそらく、闘うなかで学べることが多い相手なのです。勝とうとすれば、スルーしたり逃げたりするときとは違い、正面から相手を見ることになります。そうすると、相手なりの論理や正当性、「一理あるかも」と思えるような部分も見えてくるでしょう。まるで学ぶところのない相手だったとしても「カスとの闘い方」を、ひとつ身につけることができます。この時期のあなたには、ちゃんと力があります。大事な自分を損なわないように、しっかりやっていきましょうね。
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