モノマネでブレイクして以降、役者業を中心にボクシング、絵画、ヨガの世界でも活躍する片岡鶴太郎さん。「60代は体が元気に動く最後の時間。漫然と過ごすのはもったいない!」とおっしゃる鶴太郎さんが“人生後半”の生き方を教えてくれる幻冬舎新書『老いては「好き」にしたがえ!』より、老いに負けない極意を抜粋してお届けします。
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悪しき嫉妬心を消す方法
20代の頃は、『オレたちひょうきん族』で大勢の芸人が毎週競っていました。まさにライバル芸人たちの競演。実は私、若い頃は嫉妬心が強く、共演者の芸人たちに、メラメラとライバル心を燃やしていました。それが芸人として頑張る動機になることもあったし、自分を高めるのに有効な部分もあった。一方で、嫉妬心がやっかみに変わったことも。
この嫉妬心をどう消化させたらいいか。悩んだ結果、行き着いたのは、嫉妬心を持った相手を完全に認めてしまうことでした。つまり、「相手を認めて、誉める、祝福する」こと。「やっぱりすごいね。俺はかなわない」と本人に言ってしまうのです。それができてからは気持ちが楽になりました。認めてしまうと、その人への妬みや悪口はなくなったんです。
ライバルにはないものを自分の武器にする
それができるようになると、「こんなすごい人にも足りないところがあるはず。それはどこだ?」と考え、その部分を自分が持っていたなら、「じゃあ俺はそこを伸ばそう」と前向きになりました。そうすれば、その人と仕事で絡んでも卑屈にならずに仕事ができます。
実際、『ひょうきん族』で共演していたビートたけしさん、さんまさん、島田紳助さんは天才的な活躍ぶりで、「これは太刀打ちできない」と感じました。「だったら、俺はモノマネ芸で売り出してきたわけだから、人物を模倣して演じる役者がいいんじゃないか」と考え始めたんです。
そして自分は、役者への道を本格的に進もうと決めました。この決断を早くできたのは『ひょうきん族』のおかげですね。
「なんでバラエティーの仕事を減らすの?」
よく聞かれましたが、天才的な人たちがいたら自分がその上にいくのは難しい。ならば、自分を最大限に生かせる“人物を模倣する”役者ではないかと考えたのです。
老いては「好き」にしたがえ!
モノマネでブレイクして以降、役者業を中心にボクシング、絵画、ヨガの世界でも活躍する片岡鶴太郎さん。「60代は体が元気に動く最後の時間。漫然と過ごすのはもったいない!」とおっしゃる鶴太郎さんが“人生後半”の生き方を教えてくれる幻冬舎新書『老いては「好き」にしたがえ!』より、老いに負けない極意を抜粋してお届けします。