梅が咲いたら“ある時間帯”で、いにしえと繋がれる!? 古今和歌集にも菅原道真にも詠まれた「夜の梅」とは桃虚（神職／ライター）

現役の神職・桃虚が指南する、神様とのお付き合い。梅の咲く季節、神社に梅を愛でにいきたいですね。

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梅一輪ほどのあたたかさを感じたら、夜の散歩に出てみましょう

私のオフィスは神社の社務所で、文机はお守りやお札をお授けする「授与所」と呼ばれるところにあります。授与所の窓は映画のスクリーンのように大きく開き、その真ん中を参道が横一直線に走っています。私はその大きな窓に対面する文机に座って、窓の外のご神木や、梅の木に来るモズやメジロ、参道を横切るネコやイタチやタヌキのすがたを借景にしてお仕事。朝一番に汲んだ清らかな水で墨を擦り、祝詞や芳名帳やお札を筆文字で書いてゆきます。書き物をするには寒さがこたえますが、節分を過ぎると日の光の色が春らしくなって、鳥たちの来訪もさかんになり、心が少し浮き立ちます。