日本屈指の“成績が伸びる塾”の経営者でもありながら、サッカー選手を中心としたスポーツ選手のマネージメント業もやっている富永雄輔さん。『ひとりっ子の学力の伸ばし方』『男の子の学力の伸ばし方』『女の子の学力の伸ばし方』などのベストセラーの著者でもある著者が、最新刊『AIに潰されない「頭のいい子」の育て方』では、価値観が激変しているAI時代の、教育の正解を導き出す!
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はじめに――備えない人は息絶え、備えた人は生き残る!
新型コロナが流行するまで、大半の人が名前すら知らなかったはずの「Zoom」が、今やさまざまな場面で当たり前のように使われています。いつの時代も私たちは、環境の変化に合わせ、自らも変わり続けているのです。本書を手に取ってくれているみなさんも、しっかり対応してきたことでしょう。
ただし、これから十数年のうちに起きる変化は、これまでとは次元の違うものになります。それゆえ、今の自分を良しとしている成功者ほど、対処法を誤り、痛手を負う確率が高いのです。
しかも、その痛手は半端なものではありません。変化のスピードがものすごく速いために、あれよあれよという間に仕事を失い、勝ち組から底辺に転落していく人が続出すると私は踏んでいます。
さらに、子どもたちへの影響は甚大です。変化の本質を親が正しく理解し、素早く手を打てるか否かによって、子どもの将来はまったく違ったものになっていきます。親の認識次第で、子どもを潰しかねないのです。実際に私は、そうした懸案事例を目の当たりにしています。
私は、東京で「VAMOS(バモス)」という学習塾を経営し、自らも生徒の指導に当たっています。VAMOSは吉祥寺からスタートし、四谷、浜田山、御茶の水、月島と拡大してはきたものの、大手と比較したら非常に規模の小さい塾です。また、入塾テストは一切行わず、先着順でどんな生徒も受け入れています。
それでも、志望校への高い合格率を誇っているのは、一クラス10人程度に絞り、一人ひとりを丁寧にフォローしているからだと自負しています。つまり私は、変わりゆく教育環境と、そこで奮闘するレベルの異なる個々の子どもたちの状況を、深く理解できる立場にあるわけです。
一方で、私はサッカーをはじめとするスポーツ選手のマネジメントにも携わっています。そのビジネスを通して、これからの若者たちがグローバルに活躍するために必須の要素が、大きく変化しつつあることも肌で感じています。
こうした経験を生かし、気づかぬうちに危険水域にいるみなさんに、「どうか変化に備えてください」という強いメッセージを発するのが本書の目的です。
詳しい変化の内容は本文に譲りますが、大事なのは直視して備えることです。
これからの時代に起きることが、私たちにとって正しいか正しくないかを論ずるつもりはないし、そんな時間もありません。
ただ、間違いなくすぐに、それはやってきます。
大地震よりも確実に到来し、その時期も想像できる激変。備えない人は息絶え、備えた人は生き残るでしょう。
【新刊】AIに潰されない「頭のいい子」の育て方
生成AIの台頭により、5年後には今ある職業の2割が消えると言われる。まず淘汰されるのは、ホワイトカラーの中のエリート層だ。そんな時代の「頭のよさ」とは何なのか。親は何を目指して子どもを育てればいいのか。「親自身の成功体験を忘れろ」「“一つを極めろ”より、“あれもこれも”の選択肢を」「いつも勝てる場より、競争を」など、親の価値観転換を迫る緊急提言とともに、「愛嬌がある」「負けた回数が多い」など、伸び伸びと強く生きていける子どもの特徴も解説。子どもの未来への不安を払拭する、きれいごと抜きの実践的子育て論。
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