AIに淘汰されかねない時代は、見方を変えれば、AIを使いこなすことで大化けできる時代でもある。ただし、そこは、偏差値などの評価基準はほぼ意味を持たない世界だ!
いったい、どんな側面に注目して子どもを伸ばしていけばいいのか?「伸びしろのある子ども」とはどんなタイプなのか?
富永雄輔さんの最新刊『AIに潰されない「頭のいい子」の育て方』の中で紹介している全12のポイントより、抜粋して紹介!
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1 愛嬌と人懐こさがある ――ひとりでは社会で生きられない
私がヨーロッパに送り込むお手伝いをしたサッカー選手を見ていると、面白いことに気づきます。早くから活躍の場を得ることができるのは、必ずしも技術が高い選手ではないということです。
その土地やチームに溶け込んで愛される選手こそ、こちらの予想以上の活躍を見せます。
そして、溶け込むために必要なのは、語学力よりもむしろ、その人ならではの愛嬌、人懐こさみたいなものなのです。
逆に、いくら技術があっても、プライドが高く不遜な態度をとったり、笑顔の一つも見せられなかったりするような選手は、その力をなかなか発揮できません。
要するに、国境に関係なく、周囲から好かれる選手が有利だということです。
このことは、どんな時代にも、どのような世界においても共通です。大人だろうと子どもだろうと、「この人と一緒にやっていきたい」と思われることが必須です。
みなさんの子どもが、どれほど能力が高く、なにか秀でた分野を持っていても、自分一人でその能力を開花できるわけではありません。協力してくれる人たちがいてこそ、成功を手にできます。
あるいは、どちらかというと凡庸なタイプであった場合、なおさら好かれる人であることは大事です。多くの部分をAIに任せる時代には、手を携える人間はよほど信頼できる人に絞られていくからです。
「いい人」も立派な才能です。我が子を、「助けてあげたい」「引っ張り上げたい」と思って貰える人間に育てましょう。もう少し具体的に述べれば「愛される素直さ」が必要ということです。
たとえば、ちょっとした失敗を同級生になすりつけたり、チームで成果を上げたにもかかわらず自分だけ評価されて天狗(てんぐ)になっていたりするようなことがあったら、それを見過ごすことなく子どもと話し合いましょう。
2「自責 の時代」の到来――人のせいにする子は伸びない
子どもを伸ばすのは親や教師の重要な仕事ですが、いくら周囲が尽力しても、本人が我が事と捉えてくれなければ話になりません。
私は本書でこれまで何度も、「親の古い価値観で動くな」「子どもを正しく導け」と述べてきましたが、それは「なんでもやってあげなさい」という甘やかしのすすめではありません。
これからやってくるのは、徹底して自分が問われる時代であり、成功した親と同じようにしていればなんとかなるわけではないということを伝えたいのです。
こうした「自責の時代」には、幼い子どもであっても、常に自分に矢印を向けていることが必須です。なにかにつけ、責任を他人に求めるといったことはさせないようにしましょう。
サッカークラブでも、試合に出られないと監督を恨む子どもがいます。得点に絡めないとチームメイトを恨む子どももいます。試合に出られないのも、得点に絡めないのも自分の力が足りないからであって、誰のせいでもありません。
学校の成績が落ちたら、教師の教え方が悪いと言う。
解けなかった問題について、「これ、悪問だよ」とテストにケチをつける。
こんなことをしている限り、学力は絶対に伸びません。
スポーツでも学業でも、ダメなときほど「僕のどこがいけなかったんだろう」「私になにが足りないんだろう」と自分に矢印を向けることが重要です。
我が子が他責の態度をとっているとき、決して同調しないでください。だからといって、 叱りつける必要もありません。
「○○ちゃんは、どこでミスをしたんだろうね」というように、子どもの意識を自分に向けさせ、一緒に考えてあげましょう。
もちろん、指導者自身も検証が必要です。成績を伸ばせない子どもやチームについて、彼らのせいにして終わりではいけません。自分の指導方法に矢印を向けましょう。
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【新刊】AIに潰されない「頭のいい子」の育て方
生成AIの台頭により、5年後には今ある職業の2割が消えると言われる。まず淘汰されるのは、ホワイトカラーの中のエリート層だ。そんな時代の「頭のよさ」とは何なのか。親は何を目指して子どもを育てればいいのか。「親自身の成功体験を忘れろ」「“一つを極めろ”より、“あれもこれも”の選択肢を」「いつも勝てる場より、競争を」など、親の価値観転換を迫る緊急提言とともに、「愛嬌がある」「負けた回数が多い」など、伸び伸びと強く生きていける子どもの特徴も解説。子どもの未来への不安を払拭する、きれいごと抜きの実践的子育て論。
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