AIに淘汰されかねない時代は、見方を変えれば、AIを使いこなすことで大化けできる時代でもある。そこは、偏差値などの評価基準はほぼ意味を持たない世界だ!
いったい、どんな側面に注目して子どもを伸ばしていけばいいのか?「伸びしろのある子ども」とはどんなタイプなのか?
富永雄輔さんの最新刊『AIに潰されない「頭のいい子」の育て方』の中で紹介している全12のポイントより、抜粋して紹介!
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10 カリスマを真似ない――ロジックで考え、ロジックで動ける子を
スポーツ界なら大谷翔平選手、八村塁選手、三笘薫選手あたりが、今の子どもたちにとっての憧れでしょうか。いや、むしろ、ゲーマーやユーチューバーに、そうした憧れを持っているのかもしれません。
ただ、どのような世界であっても、カリスマの真似をすると失敗します。彼らは、もともと見えている世界が違うからです。
もちろん、カリスマと呼ばれるような人たちも大変な努力をしています。しかし、見えている世界が違う中でその努力を真似ても、同じところには行き着きません。むしろ、ニーズのないおかしなところに辿り着いてしまいます。つまり、稼げる人間に育ちません。
そもそも、カリスマに憧れ真似をしようとした段階で、間違いなくその子はカリスマとして生まれついていないわけです。だとしたら、憧れに留めさせ、確実に稼げる方向に進ませましょう。
努力は大事ですが、努力が届かない領域があるということは、子どもも知っておかねばなりません。
私の塾に、「モンスター」とでも表現したくなる子どもがいます。とにかく次元が異なる優秀さで、普通の問題集では満足できず、自分で「プレ開成入試」なるものをつくったりして勉強しています。しかも、その内容は、東大出の講師でも簡単には解けないほど高度です。また、この間も、プログラミングを利用して算数の問題を自分で作っている子もいました。
そうした子が勉強に集中しているときには、小学生ながら殺気のようなものを発しており、話しかけることさえ憚ら(はばか)れる雰囲気です。
そういう子が、日本中に50人くらいいるとしたらどうするか。
そのときに大事なのはロジックです。
モンスターのような天才に交ざって1番になろうとしても絶対に無理です。一方で、相当に優秀な子どもなら、上位2割くらいを目指すことはできるでしょう。そのために、どんなことを積み重ねるべきかをロジックで検討すればいいのです。
親がロジックを持って教育し、ロジックで考えられる子どもに育てましょう。
これから起きる数々の変化によって、みなさんの子どもたちは、大変な思いをすることもあるでしょう。しかし、どういう局面においてもロジックで考え判断できれば大丈夫です。
それに、ロジックさえしっかり確立すれば、どんな人でも大儲けできる面白い時代とも言えます。我が子に、そこをしっかり認識して貰いましょう。
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【新刊】AIに潰されない「頭のいい子」の育て方
生成AIの台頭により、5年後には今ある職業の2割が消えると言われる。まず淘汰されるのは、ホワイトカラーの中のエリート層だ。そんな時代の「頭のよさ」とは何なのか。親は何を目指して子どもを育てればいいのか。「親自身の成功体験を忘れろ」「“一つを極めろ”より、“あれもこれも”の選択肢を」「いつも勝てる場より、競争を」など、親の価値観転換を迫る緊急提言とともに、「愛嬌がある」「負けた回数が多い」など、伸び伸びと強く生きていける子どもの特徴も解説。子どもの未来への不安を払拭する、きれいごと抜きの実践的子育て論。
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