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毎月ソロキャンプをしてきた。

ソロキャンプは最高ですよと豪語してきた。それはウソではない。

 

ですが、この度告白させていただきます。

 

僕はどうしてもソロキャンプがしたいわけではありません。

 

「ソロキャンプをする」しかないのだ。

 

なぜかって?

 

察してくれたまえ。それ以上なにも聞かないでくれ。

できることならソロキャンプではなく、だれかとキャンプへ行きたいのです。

 

なぜなら、ひとりでするキャンプはものすごく怖いから。

 

もちろんソロキャンプは楽しい。

けれど、ソロキャンプの夜はものすごく怖いのだ。その恐怖感は、焚火の炎が消え、酔いが冷める頃にやってくる。

 

もし、こんな山奥でクマが現れたらどうしよう、と。

仕事の関係で平日休みが多く、キャンプへ行くのは平日。ド平日のキャンプ場なんて誰もいません。いつも自分ひとりだけ。

こんな山奥でクマがでたら……。

なので、管理人が帰宅した後は、夜のキャンプ場に文字通りひとりぼっち。

酔いが冷め、その事実に気づいてしまったが最後。クマに襲われたらどうしようと怯えながらシュラフに頭を突っ込む。

 

テントなんて所詮、布切れ一枚である。

クマのその荒い鼻息を浴びせられたら、一発で吹き飛ぶだろう。

 

もしクマの気配を感じたら、息を殺してテントのメッシュ部分から外を伺い、トイレの個室に本気ダッシュで飛び込もう。けれど、その道を防がれていたら、死んだふりをするしかないか……。

そんなことをシミレーションしている間に朝日が昇り、ショーシャンクの空によろしく天に拳を突き上げる。

 

そんなにクマがこわいなら、町に近いキャンプ場にすればいいのではないか?

その通りである。しかし、アーバンのキャンプ場にはクマよりも恐ろしいものが存在する。

 

ニンゲンである。

 

山から離れればクマからは遠ざかるが、ニンゲンには近づくことになるのです。

 

テントの中で横になっていると聞こえてくる、ニンゲンの話し声、ニンゲンの笑い声、ニンゲンの足音。これがものすごく怖い。

 

「なんだあの変なテント、やっちゃおうぜ」と、ヤンキーからリンチに合う想像してしまったり、ザクザクザクとこちらに近づいてくる足音が殺人鬼サイコパスマンのデスマーチに聞こえるのだ。

 

だって、テントなんて所詮、布切れ一枚である。

鍵もついていない。いとも簡単に襲撃される。しかも、ニンゲンには死んだふりが通用しないではないか。

町が近いのでニンゲンがたくさんいて……。

そんなニンゲンよりも恐ろしい、山にも街にも存在する最上位の恐怖存在がいるのです。

 

それはオバケである。

オバケなるものは、山にも街にもいる。実際に見たことはないけれど、いるに相違ない。

 

ソロキャンプをしていて、オバケのことを考えてしまったら、テントをほっぽり出して家に帰りたくなる。

しかし、その時にはもう酒を飲んでいて、身動きが取れないという自主監禁状態。絶望。アーメン。

 

だって、テントなんて所詮、布切れ一枚である。

UV加工はされていても、除霊加工はされていない。伊勢神宮奉納! 除霊加工3000ミニマム! なるテントがあったら爆売れだろう。

 

とかく、ひとりでするキャンプはさまざまな「恐怖」と格闘しなければならないのだ。

お願いだから、誰か一緒にキャンプをしてください。

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