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余白をつくる練習

2025.01.17 公開 ポスト

若い人こそ終活のススメ ~終活で人生の余白をボーナスステージへ~永崎裕麻

大きな「余白」を手に入れるために最適なアクティビティがあります。
それは「終活」です。

ご存知のとおり、終活とは「人生の終わりに向けた準備をすること」。特に、60代以上のシニア世代がその身の回りを整理したり、終末期医療や葬儀、相続のことを考えたりする活動として知られています。なので、20〜40代くらいにはまだ早く、縁遠く感じられるかもしれません。しかし、若い人たちにとっても、終活は人生の質を高めるための大切な思考整理の場であり、「余白」を生み出すための活動でもあるのです。

人生のボーナスステージを手に入れる

20代の頃、2年間、世界一周の旅をしていました。
旅人として、危険な目に遭わないように気をつけてはいるものの、それでもどうしても巻き込まれてしまうこともあり、何度か「人生終わった」と思う瞬間がありました。

例えばコスタリカを旅していたときのこと。突然少年ギャングに囲まれる経験をしました。言葉もうまく通じず、「正直これはもうだめかもしれない」と思っていたところに、運よく警察が登場して事なきを得ることができました。

死が遠い未来のことではないと感じる経験をしたからこそ、「あのとき死んでいたと思ったら、今の人生はオマケみたいなもの。だからこそ何でもできる!」という意識で前向きにラッキー余生を愉しめています。世界一周を終えた2007年以降、僕は人生をボーナスステージのように捉えている節があります。

そういう捉え方ができるのは、大病や大怪我で九死に一生を得るような経験をした人限定ではありません。終活を通じて死に向き合うことで、残りの余生(人によっては長い?)を「生きてるだけで丸儲け」感覚で過ごすことができます。

ところが、僕たちは、日常生活において死を意識することを避けがちです。多くの人が「いつか死ぬ」と頭では理解していながらも、その現実から目を背け、あまり真剣に考えようとはしません。
では、もし今、自分の余命を知ることができたら、どうでしょうか。多くの人は、その瞬間から人生の見方が大きく変わり、一日一日をもっと大切に過ごすようになるのではないでしょうか。
締切や期日を意識しないと、なかなか動き出せないという人もよくいますが、早くから終活に取り組むことで、人生の終わりを意識して、モチベーションスイッチを激しくONモードにできます。

人生は長いか、短いか

人生のモチベーションスイッチがONモードになったうえで、「余白」を感じられる終活ワークを考えてみましたので、ご紹介します。

余命期間をいくつか設定し、その期間ごとに何をするかをリストアップしていく方法です。
まず、「余命=1時間」だったら何をするかを書き出します。超限定的な時間枠ですが、最後に会いたい人に会うことや、伝えたい言葉を伝えることが思い浮かぶのでしょうか。例えば、親に「ありがとう」を伝える、パートナーに別れの言葉を告げる、子供に愛していることを伝える。自分自身にとって最も大切なことに絞る必要があります。自然と心からやりたいことを最小限に絞り込むことになります。

次に、「余命=1日」の場合を考えます。余命1時間と比べると24倍に時間が増えましたが、依然、時間は限られています。余命1時間のケースで書き出したことに加え、思い出の場所を訪れて、自分にとって意味のある場所で最期のときを過ごすこともできるかもしれません。

では、「余命=1週間」ならどうでしょう。余命1日の7倍の時間がうまれたので、もう少し多くのことができます。例えば、今まで行きたかったけれど行けなかった場所に旅行したりすることも可能になります。1週間あれば準備や計画ができ、実行する時間が確保できます。とはいえ、やはり時間を無駄にせず、ここでも重要なものに集中することが大事であることに変わりはありません。

「余命=1ヶ月」なら、さらに多くのことができるようになります。例えば、これまで関わった人たちともっと深く関わり、感謝を表す機会も増えます。自分の思いを伝える手紙を書いたり、大切な人との新しい思い出を一緒に作ったりすることが可能です。余命1ヶ月は、余命1時間の720倍の時間があるので、時間によりゆとりが感じられ、やりたいことをもっと多く実現できるようになります。

さらに余命期間を「余命=半年」「余命=1年」「余命=10年」と増やしてみてください。余命10年の場合のリストを書いているときには、余命1時間の86,400倍もあるため、不思議と「人生って長いなぁ」という感覚になってきます。このワークを実践した僕の友人は「死ぬまでに絶対にやりたいことは10年もあれば十分できるという意識が芽生えてきた」と言っていました。普段は時間に追われがちの生活でも、意外と長期的には余裕があることに気がつくのです。こうした意識の変化が、人生を豊かにする「余白感」を生み出していきます。

「愉しい終活」で一生を二分割してみよう

今月2025年1月22日(Wed)から、「余命の学校(残り60日編) 〜Die with Zero〜」というオンラインコミュニティをスタートします。「余命60日」「Last Dayは2025年3月27日(Thu)23:59」と設定し、60名の参加者で「愉しい終活」を実践します。

余命が尽きる(はずの)60日後、実は余命が10,000日も20,000日も残っている現実世界に舞い戻ってきます。そこから先は「生きてるだけで丸儲け」感覚でウキウキしながら人生を再始動してみようという試みです。

終活に取り組むことで、「一生」を終活開始前の1stステージと終活開始後の2ndステージに分けることもできます。1stステージは義務感からやりたいことを我慢してきた人生だったかもしれませんが、2ndステージは「自由に冒険して生きるんだ」と切り替えたりするのも面白いかもしれません。

まさに「一生」で「二生」を生きるイメージです。
どうでしょうか? なんかワクワクしてきませんか?

今回紹介したワークはあくまで例ですが、ぜひ終活を通じて余命を意識することで、自分の人生の余白を見つめなおしてみてはいかかでしょうか?

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余白をつくる練習

効率的に仕事をしても、それで空いた時間に別のことを入れて、一向にタスクが終わらないと感じたことがある人も多いはず。
私たちはいつになったらゆったりした時間を持てるのでしょうか。

世界100カ国を旅したあと、世界幸福度ランキング1位のフィジー共和国へ移住した著者が伝える、人生に自分時間を取り戻す「余白のつくり方」。

バックナンバー

永崎裕麻

100カ国を旅し、世界幸福度ランキング1位のフィジー共和国へ移住。「探究ランド」所長、フィジー留学アンバサダー、武蔵野大学「ウェルビーイング学部」非常勤講師。

今年1月22日から開講予定の「余命の学校(残り60日編) 〜Die with Zero〜」は1期生を絶賛募集中。

著書に『世界でいちばん非常識な幸福論』『南の島フィジーの脱力幸福論』

 

 

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