
「健康診断結果は気にしない」「毎日の晩酌は欠かさない」「お金はためるより使う」……。ホリスティック医学の第一人者で現役医師の帯津良一先生が実践する、人生100年時代を楽しく健やかに老いるコツとは。新刊『ときめいて大往生』より、一部をお届けします。
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医者の言いなりになるのをやめてみる
私は患者さんに、よく言っています。
「あなたが直観で選んだことはとりあえずやってみてください」
直観が当たるということはいくらでもあります。
患者さんはその体の持ち主なのですから、そこから湧き上がってくる直観ほど鋭いものはないはずなのです。
例えば、主治医に勧められた薬をなんとなく飲みたくないなと思ったときには、その感覚を軽んじず、主治医に相談してみてください。
とはいえ、患者さんが主治医の提案を断るというのは難しいものです。理由を問われて「直観です」と言おうものなら、中には鼻で笑うような医者もいるでしょう。
残念ながら医者というのは、目の前にいる患者さんを生身の人間としてではなく、検査の数値や、ある一定の部分などで捉えがちです。まるで機械のように画一的に修理しようとするのです。
私の病院にも、機械のように扱われそうになったと言って駆け込んでくる患者さんがたくさんいます。このままその医者にかかっていたら危ないと感じ、逃げ出してきたという人がほとんどです。
ある患者さんは、抗がん剤を使用していましたが、副作用がひどいため、やめようかどうか思い悩んでいました。
そこで、主治医に相談したのですが、その医者は患者さんの訴えには耳を貸さず、顔もろくに見ず、体に触れることもなしに、長々と生存率の統計(データ)を表示し始めたそうです。
そのことに違和感を覚えた患者さんは、こう言い放って診察室を後にしたそうです。
「私は統計ではありません。人間です!」
私はこれは、正しい選択だと思います。
主治医の対応が「おかしいな」と感じたら、どうか逃げてください。
次にかかる医者が、必ずしもよい医者であるとは限りませんが、自分の命がかかっているのですから、一緒になって闘ってくれる仲間を探す努力はしたほうがいいのではないでしょうか。
直観というのは、内なるエネルギーが高まって、あるレベルを超えたときに出てくるひらめきです。
日々、ときめきを集めていると、それがあるとき小爆発を起こして、パッと直観が働くことがあります。
直観は、損得や理屈を超えた世界ですから、思い切ってそれに従ってみると、思わぬ展開が起こることもあるのです。
ですから、何か違和感があれば自分の直観を信じて、医者の言いなりになるのをやめてみるというのも、己の尊厳を守るためには大切です。
ときめいて大往生

ホリスティック医学の第一人者が教えるごきげんに長生きする秘訣とは。新刊『ときめいて大往生』より、試し読み記事をお届けします。