昨年、AKB48を卒業し、かねてからの夢だった女優として新たなスタートを切った川栄李奈さん。今年1月に発売した自身初のフォト&エッセイ『これから』では、“元気で明るい”というパブリックイメージとは別の、素の部分が余すところなく語られています。『AZUMI 幕末編』にて初舞台&初主演を果たし、今年4月スタートの『連続テレビ小説「とと姉ちゃん」』(NHK)への出演が決定しているなど、女優として活躍の場を広げている川栄さん。劇場版アニメとしては初めての声優挑戦となった『プリパラ み〜んなのあこがれ♪ レッツゴー☆プリパリ』への思い、また『これから』で綴った気持ちからの変化、女優としての決意など、今の素直な気持ちを語ってもらいました。
自分の中ではまだ10代のつもりです
——ファーストフォト&エッセー『これから』は“『AZUMI 幕末編』の稽古が始まっています”というところで終わっていました。初主演の舞台を終えての感想を改めて聞かせてもらえますか。
川栄 はい。初舞台で、しかも初主演だった『AZUMI 幕末編』はすごく緊張しました。舞台でお芝居をするのも初めてだったので、最初はどういう感じでやればいいのか分からなかったんです。けれど、周りの方に助けられながらやり切ることができました。お客さんとの距離が近いのも楽しかったですし、毎日の中で自分なりに変えられたりする自由なところも含めてとても充実していました。
——初めてなのに、自分なりに変えてみようと思えるところがすごい。度胸ありますね。
川栄 (笑)そうですか?
——そう思います。AKB48でたくさんの舞台に立っていた経験が活きているからこそできることなのかもしれないですけど。今はチームじゃなく一人で挑戦している訳ですけれど……。
川栄 淋しさは感じますよね。稽古や撮影期間がそれほど長くないことがほとんどなので、共演者の方とも一気に仲良くなれるわけでもないから、どうしたらいいんだろうという戸惑いもあります。もし次の現場でまた一緒になれたら仲良く話せるんだろうなとは思うんですけど、AKB48みたいにいつも一緒にいる人がいないことが今はまだ不思議な感じですね。
——人見知りはしてないですか?
川栄 『ヒガンバナ』(日本テレビ)にゲスト出演した時は人見知りがちょっと出ちゃいましたけど、共演者の方が話しかけてくれたので楽しくできました。今、『とと姉ちゃん』(NHK)の撮影をしてるんですけど、その現場でも皆さんが話しかけてくれるのですごくありがたいですね。
——朝ドラに出られるのも、すごいことですよね。
川栄 ふふふ……がんばります。とにかく今、すごく充実してますね。お芝居をやりたかったので、できてること自体がすごく嬉しいですし、毎回違う役を演じられるのも勉強になっています。
——大変なことはありませんか?
川栄 どんなふうにお芝居すればいいんだろうって悩むこともあるんですけど、監督のアドバイスからいろんなことを学んでいる最中です。
——本の中では「大人が苦手」だと言い切っていますよね。20歳を越えて大人の一歩を踏み出してみて、改めて感じていることはありますか。
川栄 元々、子供っぽいので大人っぽくなれないんですね。今でも気持ちは子供なので……まだ10代だと思ってます(笑)。自分の年齢は、17歳に設定してます!
——(笑)でも、今後は大人の役も演じることになると思うんですけど。
川栄 たしかにそうですね。演じる時は精神年齢を上げて頑張ります!
——そんな中、『プリパラ み〜んなのあこがれ♪ レッツゴー☆プリパリ』では、声優にも挑戦してるんですよね。
川栄 そうなんです。声優のお仕事は今までもやらせていただいたことはあったんですけど、映画は初めてで。私が演じたのは、(メインキャラクターである)ファルルの妹的な存在のミニファルルっていうちっちゃい女の子の役で。監督からは「子供っぽくやってください」って言われたんですけど、自分が思っている以上に(お芝居が)伝わらなくて、「もっと明るくやってください」とかいろんなアドバイスをいただきました(笑)。アニメって画に合わせて声を出さなきゃいけないから、やっぱり難しかったです。とにかく声優さんって大変だなぁと感じました。
——作品の見どころは?
川栄 メインテーマが友情なので、小さなお子さんには仲間と団結してがんばるところを見て欲しいです。ダンスが細かくてカワイイので、その辺りもぜひ注目していただきたいです。
今が楽しくて仕方がない。毎日ワクワクしてる。
——『これから』についても改めて伺いたいと思うんですけど、赤裸々に思いのまま語っているのには何か理由はあるんですか。
川栄 特にはないんですけど、今までの取材で自分のことを喋る機会ってあんまりなかったというか。聞かれたら喋るんですけど、自分から色々と話すタイプじゃないので。だから、今回は本当にいい機会だったなと思っています。いろんな方に読んでいただきたいんですけど、女性の方に読んでもらえたら嬉しいですね。
——非常に多忙だったAKB48の頃と今、生活のペースは変わりましたか?
川栄 そうですね。今はいい感じのバランスでお仕事をさせていただいています。お休みもだいぶ楽しめるようになりました。ほとんど家にいるんですけど、料理が楽しくて時間があれば毎日つくってます。自炊って、自分が食べたいと思ったメニューをそのままつくれるのがいいですよね。この前初めて肉じゃがをつくったんですけど、上手にできました。
——そういうことも含めて色々なことに挑戦している最中だと思いますが、今後やってみたい役は?
川栄 今までいただいた役も初めて挑戦するものばかりでしたが、まだまだやったことがない役が多いので、勉強してがんばっていきたいです。
——著書で、園子温監督の作品が好きだと話していましたが、もしオファーを頂けたら……。
川栄 是非やりたいです! 映画自体、お話をいただけるなら挑戦してみたいですね。今はとにかく楽しくて仕方ない。毎日ワクワクしています!
川栄李奈さんが声優として出演する映画「プリパラ み~んなのあこがれ♪レッツゴー☆プリパリ」は3月12日(土)より全国公開です。新たな女優としての表情をぜひご覧ください。