好評につき、第二期開催が決定した、コラムニスト近藤勝重さんによる、文章が学べるサロン「幸せのトンボ塾」。近藤さんから直接添削指導が受けられる、少人数制の贅沢な講座です。
具体的には、どんな内容の講座になるのか?あらためて文章を学びたいと思う方へ向けて、2016年に開催した、第一期受講者のお一人で、国語教師の中原真智子さんによるレポートをお届けいたします。
第2回近藤勝重先生の文章サロンin東京に行ってきました。
毎月第1土曜日の昼間に2時間あります。今回は岡山・羽田往復の飛行機を早めに予約したら、宿まで付いて3万円を切りました。びっくり。岡山・羽田間は1時間10分です。早い。
そしていよいよ第2回目の講座が始まりました。
まず初めに書くことについての講義がありました。後半は前回の宿題「気付いたこと」について書いてきた4人の作品を取り上げ、添削して講評を言われました。まずは、講義の内容から…。
・「書く」ことは、頭で理解して心で納得すること。
頭と心の往復運動。
理性的になり、相手の身になって考える時間を持つこと。
・「書く」ことの長所は、「考えられる・生きられる・優しくなれる」ことである。
・文章を上手に書く必要はない。
まずは「真似る」こと。そうして「学ぶ」のである。
まねても自分は自分であって他者にはなれない。
・「気付き」のポイントは対比である。それから「観察力」である。
この後、80代とおぼしき女性、山名信代さんの作品を取り上げました。宿題「気付いたこと」は400字のはずでしたが、なぜか山名さんは800字でした…ま、いっか。
無駄な要る物
山名信代
いつだったか新聞で「むだの効用」という記事を読んだことがある。一見無駄に見える物が、豊かな心にしてくれるといった内容だったと記憶している。
整然とした部屋はスッキリしているが、何となく生活感に乏しい気がする。そこに、何かが飾ってあると明るく和やかな雰囲気が漂う。それが旅の思い出や子(今では孫)の作品だったりすると尚その思いは深い。私は料理は好きだが掃除が苦手。つまり整理下手、物が捨てられない。海外生活経験の隣家の方は、整理整頓が完璧であった。物が溢れている我が家を何とかしたく、ハウスキーピングに通い、整理術の本は積ん読のみ、相変わらずだ。食卓の出窓には、観葉植物、香草の水栽培、みやげ物、カレンダー、ティシュケース、楊枝入れ、眼鏡入れ、孫が遊んだおもちゃ、プレゼントカードなどなど。私は毎日それらを眺め、語り、その物に纏わる人々を想う。また、季節ごとの伝統行事の度び飾る物を換え絵もかえる。好きで集めた食器も、和洋中華と増えていく。整然とした部屋が落ち着く人、雑然としても落ち着く人といるのではなかろうか。勿論、私は後者だ。
若い時はいいが、老いた今、管理するエネルギーの大きさ、しかも健康でなくばと痛感する。大震災後、物を持つより、地震で壊れない物ー知識、文化、友達ーを大切にときくが、そう簡単に身につかぬ。その物が必要か不要かは各人の価値観や生活信条によると思う。いただいた物は大切にしたい、季節も楽しみ、安らぐひと時もちたいが、物に振り回されるのもどうかと迷ったりもする。
この夏さつま芋の芽の切れ端をカップなどに浸したらアッという間に日に向き蔓を伸ばし、まるで緑のカーテンとなり、その生命力、逞しさに、目を見張り、老々介護の私共は、力づけられ、水やりに努めている日々だ。
☆ポイントはいかに削るか
・「~が、~が」で続く文は、「~ものの」「~ながら」「~が、一方」などに変える。
・一文が長すぎるときは、いったん切る。
・改行を恐れてはいけない。5~6行も続いたら改行するくらいのつもりで段落を変え、読みやすくする。
・体言止めは多用しない。体言止めでないとダメだというところで使う。
例:~が苦手。→ ~が苦手だ。
・漢字を使いすぎない。和語は基本的には平仮名がよい。
例:物→もの 時→とき 勿論→もちろん
・句点「。」読点「、」を意識して使い分ける。
・必要なところには読点を打つ。
・「思う」「感じる」「考える」で終わる文章をなるべくやめる。他の言葉に置き換えることができるならば置き換える。(時々出てくるのはいい)
全体としては三重丸の作品だとほめられました。確かに、山名さんは手書きで難しい字をさらさらと書いており、普段から書き慣れていると思いました。
この後、他3人の作品を読みながら直していきました。
ここでは作品は割愛しますが、アドバイスは列挙します。
・ひらがなを大切にする。
・「…」「!」「?」などの区切り符号は、やたらに使わない。
・構成は「現在・過去・未来」にするとよい。
・不必要な「私」は省略する。書かなくても分かるときは書かない。
「今を語ることによって世の中が平和になればいいと思って書いている。」
近藤先生は講義の終わりにこうおっしゃいました。だから日々のちょっとしたことを大切に考えて書いていらっしゃるのです。
2016年10月5日(水)
* * *
<2017年9月9日から開催決定!>
近藤勝重さんから直接文章指導が受けられる、第二期「幸せのトンボ塾」のお申し込みも受け付けております。
近藤勝重氏に学ぶ文章上達の極意
好評につき、第二期開催が決定した、コラムニスト近藤勝重さんによる、文章が学べるサロン「幸せのトンボ塾」。
プロのコラムニストである近藤さんから直接添削指導が受けられる、少人数制の贅沢な講座です。
具体的には、どんな内容の講座になるのか?
あらためて文章を学びたいと思う方へ向けて、第一期受講者のお一人で、国語教師の中原真智子さんによるレポートを全7回でお届けいたします。