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大本営発表

2017.05.17 公開 ポスト

日本メディア史の再暗部を描く『大本営発表』にあらたなニュース!辻田真佐憲

昨年7月に刊行され、今年の新書大賞の14位に選ばれた辻田真佐憲さんの『大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争』。日本メディア史の再暗部を描いた本書に、新しいニュースが届きました。

昨年8月13日に、辻田さんが出演したTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」が第54回ギャラクシー賞ラジオ部門を受賞しました。

辻田さんは、この日の特集コーナー「サタデーナイトラボ」で、特集「トホホな大本営発表」に登場し、大本営発表がどんどんデタラメになっていく過程を当時の音源をもとに解説。そして、そのデタラメを引き起こした原因である「政治と報道の一体化」は、けっして過去のものではないと警鐘を鳴らしました。

ギャラクシー賞大賞の発表は、6月。楽しみに待ちたいと思います。(T)

 

第54回ギャラクシー賞入賞作品一覧(放送批評懇談会)
http://www.houkon.jp/galaxy/54nyushou.html

ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル
https://www.tbsradio.jp/144095

関連書籍

辻田真佐憲『大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争』

信用できない情報の代名詞とされる「大本営発表」。その由来は、日本軍の最高司令部「大本営」にある。その公式発表によれば、日本軍は、太平洋戦争で連合軍の戦艦を四十三隻、空母を八十四隻沈めた。だが実際は、戦艦四隻、空母十一隻にすぎなかった。誤魔化しは、数字だけに留まらない。守備隊の撤退は「転進」と言い換えられ、全滅は「玉砕」と美化された。戦局の悪化とともに軍官僚の作文と化した大本営発表は、組織間の不和や、政治と報道の一体化に破綻の原因があった。今も続く日本の病理。悲劇の歴史を繙く。

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辻田真佐憲

一九八四年大阪府生まれ。文筆家、近現代史研究者。慶應義塾大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科を経て、現在、政治と文化・娯楽の関係を中心に執筆活動を行う。単著に『日本の軍歌 国民的音楽の歴史』(幻冬舎新書)、『愛国とレコード 幻の大名古屋軍歌とアサヒ蓄音器商会』(えにし書房)などがある。また、論考に「日本陸軍の思想戦 清水盛明の活動を中心に」(『第一次世界大戦とその影響』錦正社)、監修CDに『日本の軍歌アーカイブス』(ビクターエンタテインメント)、『出征兵士を送る歌 これが軍歌だ!』(キングレコード)、『みんな輪になれ 軍国音頭の世界』(ぐらもくらぶ)などがある。

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