ユダヤの三種の神器(「アロンの杖」「十戒が書かれた石板」「マナの壺」)が「アーク」に納められて、ここ、剣山までやってきたそうです。その「アーク」が、日本のお神輿と形がそっくりなんだとか…。またまた不思議な”符合”!?
いろんな神秘的なものが発掘されたという剣山。やはり「失われたアーク」はここに眠っているのでしょうか!
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本書の中から、途中途中を抜き出ししています。詳しくはぜひ、本書をお読みください!
剣山の御神宝
せっかくここまで来たのです。剣山(つるぎさん)に行かない手はありません。くねくねとした山道を車で走りながら、剣山へと向かいます。剣山には、ユダヤの三種の神器が納められている「アーク」と呼ばれるものが隠されているという伝説があります。
ユダヤの三種の神器とは、「出エジプト」の時に、蛇へびに姿を変えたり、水を血に変えたり、海を二つに分けて道を作ったりしたアロンの杖。モーセが神から授かった十戒が書かれている石板。そして食糧を与えてくれたマナの壺。この三つを言います。この三種の神器がアークと呼ばれる日本の神輿にそっくりな入れ物に入って、ここ剣山まで運ばれたというのです。
毎年、剣山では7月17日に剣山本宮例大祭(ほんぐうれいたいさい)が行われます。なんと、この日は「旧約聖書」の中に出てくるノアの箱舟がアララト山に漂着した日と同じなのです。神輿というのは普通、山から里に神様をお運びするものですね。しかし、ここでは山頂へとお運びします。山頂近くには宝蔵石(ほうぞうせき)神社があります。「宝の蔵である石の神社」ということは、もしかすると、ここに三種の神器が眠っているのかもしれません。いざ、神社の裏にある磐座へ!
剣山へと向かう道は夏日に照らされ、日射病になるのではないかという暑さでした。しかし、山頂へと向かうロープウェイの発着所に到着すると、突然スコールのような雨が降ってきました。さすがにこの雨の中を山頂に向かうわけにもいかず、しばらく車中で雨が弱まるのを待つことにしました。あっという間に辺り一面真っ白な霧に覆われ、人々が山の上からロープウェイで戻ってきます。そういえば、前回訪れた時も、霧雨が降り、どんよりとした天気だったので、こういう気候の土地なのかもしれません。
40分ぐらい経つと雨も止んできたので、出発することに。しかし、ロープウェイに乗るなり、またパラパラ。結局、ロープウェイを降りると一番短くて楽なコースで山頂まで登ることにしました。
辺りはどんどん霧に覆われてきて、雨足も強くなっていきます。山頂からは人が早足で降りてきて、すれ違うたびに「今から登るんですか?」という表情を挨拶とともに向けられ、不安に。
けれども、山頂までの道のりはどんどん神秘的な様相になっていきます。まるで、死んだ人があの世へと向かう道のりのようでした。山頂の手前の山小屋に着く頃には雨もザンザン降りになってしまい、結局、雨やどりがてら休憩することに。体も雨に濡れて冷えてしまったので温かいスープを頂いていると、山小屋のお姉さんまで「もう止みそうにないので帰ります」と荷物を担いで出ていってしまいました。
1時間ぐらい、そこで休んだでしょうか。
最終のロープウェイの時間もあるのでそろそろ出発しなければ、と思った時には少し小降りに。ここまで来たのだから山頂まで行こう! と自分に鞭むちを打ち、山小屋の扉を開けると、祝詞(のりと)をあげている声が隣の宝蔵石神社より聞こえてきました。
いつも扉が閉まっている印象の神社だったので、テープで祝詞を流しているのだと思い近づいてみると、「どうぞお祓いを致します」という声が中から聞こえてきました。「本物の宮司さんだったんだ!」と思い、頭を下げると御幣と呼ばれる祭具を振って下さいました。なんとも、ありがたいことです。
しばらく、宮司さんと一緒に手を合わせながら祝詞を聞いていました。しかし、帰りの時間もあったので、切りの良いところで一礼して山頂へ向かおうとすると、雲が切れて空が見え始めていたのです。さすが、宮司さんの祝詞パワー! しかも、先ほどの雨で人がいなくて、神社裏にある磐座は貸し切り状態。おまけに山頂まで続く平原のような場所にも人っ子一人いなかったのです。頑張って登ってよかった!
ロープウェイ乗り場までは行きとは違う道を通ることにしました。というのも、剣山のいわれにもなっている鶴と亀の岩を拝んで帰りたかったからです。
鶴と亀の山
剣山は鶴亀山(つるきさん)とも言われています。
ここで出てくるのが、またもやあの「かごめ」の歌。かごめ→籠の目→ダビデの星、夜明けの晩→夜が明ける→よはね→ヨハネ(イエスの使徒の一人)と繫がるのではないかとの説もあります。失われたアークがここに眠っているという暗号なのだとしたら、面白いですね。
さらに、剣山に埋められているアークから人々の目を背けさせるために空海が四国八十八ヶ所を作ったという説もあります。国から委託された事業だったというのです。
この説を知っていたかどうかはわかりませんが、戦前から日本と古代イスラエルの結びつきに気づき、剣山の発掘調査を重ねてきた高根正教(たかねまさのり)という人がいました。この高根さんが注目したのが鶴岩と亀岩。数年かけて亀岩の下の発掘を続けていくと、地下131mのところから巨大な球体の、「太陽岩」と呼ばれるものが出てきたそうです。そして、さらにその下には大理石の門や、高さ15mのピラミッド型の空間もありました。やがて、戦後間もない頃には海軍大将であった山本英輔(えいすけ)という人が、発掘をして、ミイラが100体以上も出てきたということです。
時代を超えて人々を魅了してきた鶴亀山。結局、時間がなくて鶴と亀の岩を遠くから眺めて帰ることしかできませんでしたが、最後はキラキラとした光も差し込み、なんとも美しい夕暮れ時を過ごせました。
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剣山と鶴亀山。「音」で聞いても不思議な一致。面白いですね!
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