「一日=24時間」は誰にも平等なのに、「仕事も趣味も多彩に楽しんで充実した人生を送っている人」と「そうでない人」がいます。この差はどこから生まれるのでしょうか?
自動車販売会社の経営者にして、多くの著作を出し、ミス・ユニバース・ジャパンのビューティキャンプ特別講師など、マルチに活躍する小栗成男さんは、「一秒の使い方を変えるだけで人生は有意義なものに変わる」と主張します。著書『一秒宝(いちびょうほう) 「嫌なこと」をやめたら、結果を出す時間が増えていく』から、時間密度を高めて人生を楽しむメソッドを紹介します。
もっと時間意識を研ぎ澄ませ、スピードを意識した仕事の仕方ができるようになりたいという人は、仕事だけで考えるよりも、生活のさまざまな面で「速さ」を意識してみることです。
例えば、早足で歩く。
早口で話す。
速読や速聴の練習をする。
からだを速いテンポに慣らしていくのです。
速読や速聴の練習をすると、どんどん速く読めるようになったり、高速音声を聞き取れるようになったりすることで、自分の頭の回転が速くなったように感じられます。これ、けっこう爽快です。
自然と、話し方も速くなります。
「読む、聞く、話す」が速くなると、短時間でインプット、アウトプットできる量が増える。速くなると同時に、時間当たりの情報処理能力が上がります。
おもしろいことに、歩くペースも速くなっていくんですね。日常の動作もきびきびしてくる。行動全般が変わる。
モードチェンジができると、物事に対する姿勢も変わってきます。
ポイントは、「速くしなきゃ、速くしなきゃ」と考えて、自分自身を焦らせないことでしょうか。焦るというのは気持ちが急くばかりで、実際にはあまりスピードアップになりません。かえって判断ミスが生じやすくなります。
必要なのは、自分にへんにストレスをかけずに、楽しい気持ちでスピードを意識できるようにすることです。
私の場合、つねに「どうしたら、より速く効率化できるか」という意識を持ちながら、速く行動することをゲームのようにして楽しんでいます。
例えば、目的地に行くためにはどのルートが速いか。ふだん移動は車で、運転は専属のドライバーに任せています。彼と、どのルートが速いかという相談をする。知恵を出した結果、当初の予定よりも短い時間で着くことができたときは、「エクセレント! 速いね、このルート正解だったね!」とドライバーに拍手してしまいます。
エスカレーターを利用するか、階段を使うかの選択も、一つの勝負どころだと思っています。エスカレーターが混みぎみだったら、サッと階段を使います。その結果エスカレーターを使うよりも速かったら、「よかった!」という気がして爽快なのです。
それほど急がなくてはいけない理由はありません。時間に追われてやっているわけではなく、いつでも「効率的なのはどのルートか?」「より時間を稼げるのはどっちだ?」と考えるのが習慣になっているのです。
「いい年をした大人が……」と笑う方もいるかもしれませんが、こういうことも即断即決のための日常的トレーニングになっているのです。状況のどこに注意を向けたらいいか、今できるベストな判断はどれか、ということを考える練習になっているからです。
こんなふうに、自分自身をみがくことをいろいろゲーム化して楽しんでしまう。そうすると、ストレスフリーで鍛えていくことができます。
からだを速いテンポに慣らせば、
行動全般が変わる。