4月10日に刊行した文庫『北京でいただきます、四川でごちそうさま。 ~四大中華と絶品料理を巡る旅~』が好評の吉田友和さん。
刊行を記念して、書籍に収録されていない話も含めて、中国4大料理とその他の絶品料理を巡る旅を、写真を交えて紹介していきます。
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北京に行くとき、航空券がすごく安くて、海南航空という中国のエアラインで、このとき往復2万ちょっとくらいでした。そしたら出発の日にちょうど台風が来ちゃって、半日ぐらい遅れてしまったんです。
羽田空港でチェックインしたときに、お詫びとして1000円分のミールバウチャーをもらったんですよ。中国の飛行機は遅延するんですけど、遅延すると何か機内食が地上で出てきたりとか、お菓子が出てきたりとか、必ず食べ物が出てくるんですよね。それだけ食事が中国の人にとって価値あるものというか、食事でおもてなしするというのが文化としてあるんだなというのを感じました。
着いてすぐ、北京ダックを食べました。まずはその土地で一番メジャーなものを食べるというのは、僕の旅の必勝法で、そうすることによってその土地に来たことをより実感できます。
北京ダックの食べ方、知っていますか? 皮で肉を包んで、ネギとかを入れて、たれにつけて食べると思っていませんか? 実は皮に全部巻いてからたれにつけるんじゃなくて、皮にたれを塗ってから巻くというのが正式な食べ方なんです。
これは南鑼鼓巷(なんらここう)という、胡同(ふーとん)といわれる街並みが残っているところをおしゃれに再開発したエリアで、若者とかが行き交っているというところなんですけど。ここでシュウマイとジャージャー麺という、これがまた北京名物の混ぜそばみたいな料理なんですが、食べましたね。都一処(といっしょ)という、シュウマイで有名な店なんです。ここのジャージャー麺がすごくおいしかったです。他の店よりここはおいしかった。
あとは買い食いというか、イートインじゃなくて、テイクアウトして食べるみたいなお店がこの南鑼鼓巷に多くて。小籠包の中の汁だけをストローで吸うというのがありました。確かに小籠包はスープが肝ですが、小籠包は普通に食べたほうが美味しいなと思いました。おもしろいんですけどね。
北京だけで完結せずに、高速鉄道に乗って天津まで行ってきたんです。北京・天津は1時間もかからない距離。時間があればあれだけ、自分の場合、いろいろ詰め込んじゃうんですよね。ちょっと欲張りなのかもしれないですけど。
この天津名物の肉まん、狗不里(こうぶり)というお店で、ここで食べたくてわざわざ行ったんですよね。
それで食べ終わって、北京に高速鉄道でとんぼ返りしたら、北京の繁華街のこの店の北京支店があったんですよね。要はわざわざ天津に行く必要なかったじゃんみたいなオチがありました。
あとは天津と言えば、天津甘栗かなと思ったんですが、まさしくそれだという食べ物はありました。
ハルビンでも同じところに泊まっていたんですが、北京ではイビスホテルというところに泊まりました。5000円くらいで、外資系で、ある程度英語が通じて、個人旅行で行くんだったらお薦めです。わりとWi-Fiも早く繋がるし、きれい。中国ってホテル選びを失敗するとひどいことになるので、他の国以上にホテル選びは気を使います。イビス系はあちこちにあるので、探してみてください。
たまたま北京のイビスホテルは、一階に入っているレストランが、有名な蘭州牛肉麺の専門店でした。蘭州牛肉麺って、最近日本でも流行りつつあるらしくて、神保町にお店とかあるんですけど。回族とかの西域の麺料理です。
ほかにも北京では、ユニークなお茶の店に出会いました。すごい行列ができて、、並んで飲んでみたんですよね。普通のお茶じゃなくて、ウーロン茶の上にクリームチーズがのっていて、お茶自体はけっこう茶色系なので、生ビールっぽく見えます。ここができた当時は、飲むだけで七時間待ちで、転売する人とかもすごくいたそうです。これ「Hey Tea」というお店です。もともと広州のお店らしいんですが。これがいま上海にもあるし、北京にもある。こういうトレンド系スポットへ寄ってみるのも中国旅行でお薦めです。