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幻冬舎plus+編集部便り

2018.06.03 公開 ポスト

45歳まではまだまだイケると思ってたジェーン・スー/野宮真貴

2017年5月に札幌で開催された野宮真貴さんとジェーン・スーさんのトークが電子書籍になりました。
ジタバタした40代を乗り越え、今の自分をいちばんキレイに見せる方法を獲得した野宮真貴さんと、今まさにお洒落の迷子だというジェーン・スーさんが率直に語りあう、自分をよりよく見せ、ずっと好きでいるためのヒントとは?
5月25日発売された『人生もお洒落も自分の舵を手放さない。』の冒頭を抜粋してお届けします。

自分を見なくなることがおばさんへの道

ジェーン・スー(以下、ジェーン) 女性が年齢を重ねるのって、なかなか一筋縄ではいかないですよね。野宮さんが今までずっとお美しくいらっしゃる秘訣は、ご著書『赤い口紅があればいい』に十分書かれているんですけれども……私でも美人に見えるようになれるんでしょうか。今44歳なんですが。

野宮真貴(以下、野宮) 若い。

ジェーン 44歳は若いんですね。

野宮 今日、皆さんに一番伝えたいのは、今の自分が一番若いということ。それを自覚した方がいいです。

ジェーン なるほど。当たり前だけど、すごく響きます、それ。明日の方が老けてるわけですからね。

野宮 女性って、40代後半ぐらいで更年期があるじゃない。女性ホルモンが下がっていくと、そこでいろいろ変化があるんですよね。髪に艶がなくなったり、細くなったり、薄くなったり、いろいろたるんできたりとかね。私は、スーさんよりもっとジタバタしてたと思う。今、その頃の写真見ると十分若いんですけどね。ということは、ジタバタするよりも、その時の自分が持っているものをマイナスに捉えないでいかに良く見せるかを考えた方がいい。

ジェーン 40代半ばのジタバタ期って、実際にどんなことでジタバタされたんですか。

野宮 45歳ぐらいまではね、全然まだまだいけると思ってたの。私、ピチカートに30歳から入って40歳になって半月後ぐらいに解散になったのね。そこからソロになって、環境ががらりと変わって。ピチカート時代は仕事が忙しかったし、プライベートでも結婚したり出産も経験して、遊ぶ時間は全然なかったから。

ジェーン 意外ですね。ずっと西麻布とかで遊んでたのかと思ってました。

野宮 全然(笑)。仕事と海外ツアーと自宅の往復しかしていない。だから、40代は遊びまくってましたね(笑)。気持ちもけっこう若かったし、体力もまだまだあったし。でも、やっぱり45歳過ぎた頃から、体力が落ちるんですかね。だんだん疲れを感じるようになって。ハイヒールしか履かないと豪語してたのに、なんか疲れるのはヒールのせいかなとか、いろいろ思うようになって。エストロゲンの低下で自慢のロングヘアも艶を失っていくし。それを補うために手順が恐ろしく増えるんですよね。

ジェーン 手順、増えますね。

野宮 お金もかかる。しょっちゅう美容院に行って、トリートメントなどメンテナンスをしたりね。それを一生懸命やってたんですけど、ある時、ストレートに伸ばした艶々の髪の毛を見て、顔の衰えとのギャップに気づいたの。このままいったら美魔女になっちゃうなって。年齢を重ねたら、手をかけることは大事なんだけど、やりすぎると痛く見えてしまう。そこから、ナチュラルに見える手のかけ方に移行していきましたね。

ジェーン 失っていくものばかりが目について、それを補おう補おうとすることで生まれる違和感みたいなものありますよね。その人の個性とはまた違う、この人たぶん今一生懸命、緞帳(どんちょう)が下りないように頑張ってるんだなっていう、あの感じ。その違和感にどこで気づけばいいんですかね。

野宮 私も頑張りすぎてたと、当時の写真を見ると思うし、もっと自然で良かったなと思う。気づくのは、なかなか難しいのだけど、やっぱり客観的に自分を見る目かな。

ジェーン 常に「見る」ということなんですね。一方で、もうこんな年だし見てもしょうがないし、と言い訳したくもなってしまう。

野宮 そうすると、おばさんへ一気に進んでいきます。それだったらまだやりすぎている方がいいかも。多くの日本の女性は残念だけど、「若い女性」と「おばさん」の2択になってしまっている気がします。本当はその中間に「大人の女性」とか「成熟した女性」という人生で一番素敵な時期があるのに。

ジェーン 鏡、おうちにどれぐらいあります?

野宮 各部屋にあります。ただ、キッチンにはないんですよね。「ゴロウ・デラックス」という番組に出た時に、稲垣吾郎さんが、キッチンの冷蔵庫がミラーだとおっしゃっていました。

ジェーン 見ました! そこでも鏡を見てるっておっしゃってましたね。

野宮 あれは負けたって思いました(笑)。

ジェーン いや、勝ち負けの話じゃないですよ(笑)。でも、キッチンにはないけれども、各部屋に鏡を置くというのは、適度な緊張感を作るということですかね。

野宮 意識的に鏡に向かってる時って、絶対に顔を作っているんですよね。

ジェーン 素の顔じゃないですよね。

野宮 素の顔って、なかなか自分では見れない。でも他人からはそれを見られてるわけじゃないですか。なので各部屋にあると、お掃除してる時でも何でもいいけど、チラ見で自分が映った姿をチェックすると、今すごい眉間に皺が寄って怖い顔してたなとか、わかるの。

ジェーン 猫背になってたなとかね。

野宮 そういうのもチェックできる。鏡で実際に見ることも大事なんですが、俯瞰して自分を見つめるのもとても大事なんです。もう一人の自分が今の自分を見て、「今、おばさんになっている」とか「やりすぎて美魔女になっている」とか、客観的に見つめている。

 

……続きは、『人生もお洒落も自分の舵を手放さない。』をご覧ください。

ジェーン・スー、野宮真貴『人生もお洒落も自分の舵を手放さない。』

<目次>
・自分を見なくなることがおばさんへの道
・表情は大袈裟なくらいでいい
・マッサージは自分へのねぎらい
・好きとは何か?
・自分が自分の一番の味方でいるために

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ジェーン・スー

1973年、東京生まれ東京育ちの日本人。作詞家/ラジオパーソナリティー/コラムニスト。音楽クリエイター集団agehaspringsでの作詞家としての活動に加え、TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」をはじめとするラジオ番組でパーソナリティーとして活躍中。

野宮真貴

ピチカート・ファイヴ3 代目ヴォーカリストとして、90年代に一世を風靡した「渋谷系」ムーブメントを国内外で巻き起こし、 音楽・ファッションアイコンとなる。2019年はデビュー38周年を迎え、音楽、ファッションやヘルス&ビューティーのプロデュース、エッセイストなど多方面で活躍している。2012年から渋谷系とそのルーツの名曲を歌い継ぐ音楽プロジェクト「野宮真貴、渋谷系を歌う。」を行っており、その集大成となるベストアルバム「野宮真貴 渋谷系ソングブック」(ユニバーサルミュージック)をリリースしている。野宮真貴をヴォーカリストに迎えた日本コロムビア時代のピチカート・ファイヴベストアルバム「THE BAND OF 20TH CENTURY: Nippon Columbia Years 1991-2001」がアナログ盤7inch BOXとCDアルバムが好評発売中である。

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