できることなら永遠に続編を読んでいたい気持ちと、このすこし物足りないような感覚こそが贅沢なのだ、という気持ちとが交錯する。恋愛を人生のすべてと考えている人々のための一冊。
――小西康陽(音楽家)
いま読み終わって、もっと、できることなら永遠に続編を読んでいたい気持ちと、このすこし物足りないような感覚こそが贅沢なのだ、という気持ちとが交錯している。
いささか芸のない話だが、半年ほど前に東郷青児の文芸作品集のために書いたフレーズを、そのままもう一度この本のために寄せることにする。すなわち、本書もまた「恋愛を人生のすべてと考えている人々」のための本である。この作品に入れ替わり立ち替わり登場するのは、つまりそんな人たち。たぶん作者もまたそのような人であり、たったいまこの小説を読んでしまったぼくもまた同じクラブに属する人間である。そして、なぜかいまこの本に興味を持っているあなたも。
他愛のない、軽くて甘口の、肩の凝らない読み物。なのに、いつの間にか酔いが回ってしまう。ぼくはこの本をくりかえし読むだろう。そしてある日、飽きてしまったら年下のガールフレンドに進呈しよう。そしていつの日かまた思い出してはこの本を探し求め、読む。また飽きてしまったら誰かに譲るはず。そんなふうに、この本が多くの人に読み継がれていくと良いのだが。
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小西康陽さんがこんな素敵なコメントをお寄せくださった、渋谷のバー店主にして、恋愛エッセイの名手である林伸次さんによる、はじめての小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』は7月12日の発売予定です。
また、一足早い試し読み特別連載がcakesにて6月25日午前10時から始まります。
みなさま、楽しみにお待ちください。
恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる
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