コロナ禍でスーパーでの買い物の回数を減らしている人も多いことでしょう。でも、たとえば大量の野菜をすぐに使い切るわけではないとき、どう処理すればいいのか、困りますよね。そんなときは、「作りおき」よりも手軽な「半調理(=下ごしらえ)」がおすすめです。
料理の時短調理法や冷蔵庫の収納術などが好評の『はかどるごはん支度』の著者で、人気料理家・高木ゑみさんが、効率のよい「半調理」のハウツーをお教えします。
不安な日々のなかで、ごはんづくりが少しでもラクになりますように! 本書より、一部を抜粋した過去記事をあらためてお届けいたします。
野菜を切るついでに“半作りおき”を用意する
料理そのものを作りおきしておかなくても、たとえば材料が切られた状態にあるだけで、台所に立つ前のおっくうな気持ちはだいぶ解消されるものです。とはいえ、カット野菜は外国産が多く、また鮮度を保つために添加物が多く使われているともいわれていますので、頻繁に使うのは気が引けますし種類もそれほど多くありません。
ですからやはり、自分でカットしておくのがおすすめです。
これもわざわざ時間を作る必要はありません。ふだんの料理のついでにやってしまいましょう。
私の場合、野菜はその日の料理に一部しか使わなかったとしても、全部切っています。
たとえば玉ねぎ。半分しか必要なくても、残りはみじん切りや薄切り、くし形切りにして冷凍。玉ねぎは冷凍しておくと、水分が出やすくなり短時間炒めるだけであっという間に飴色になるので、ハンバーグやカレーなどに便利です。また、チャーハンやオムライスなどにもパッと使えて便利です。
切った野菜は日もちがしないので、ラップをして冷蔵庫に入れておいたのにいつの間にかダメにしてしまったという経験がある人も多いでしょう。でも冷凍してしまえば、そんな心配もありません。
私は料理に使う物を全部切ってしまったあとでも、まな板で使っていないゾーンに気づくと、そのスペースがもったいないので、まだ切れる物はないかと考えます。
というのも、私はまな板で切る物をゾーンごとに決めているからです。これは食品の匂いがほかに移らないようにするためです。そうするとメニューによってはまったく使わないゾーンもありますが、当然ながら洗うときはまな板全体を洗いますから、使っていない部分があるのはもったいない! と思ってしまうのです。
そこで「冷蔵庫に柴漬けがあるから刻んでおこう」とか、「チーズを食べやすい大きさにしておこう」という風に、プラスアルファの何かをしておきます。
ちなみに、柴漬けは刻んでおくとチャーハンの具などいろいろと便利に使うことができ、チーズが切ってあると忙しい朝に助かります。
また、青菜を茹でるときも同じです。せっかくたっぷりの塩を入れてお湯を沸かすのですから、1杷わだけ茹でるのでは手間も塩ももったいないですね。ほうれん草を茹でたら次は小松菜、えんどう豆というように、塩茹でする物はすべて茹でてしまって、冷蔵か冷凍をします。
そのまま、茹で卵を作ってしまってもよいですし、細かく切ったじゃがいもを茹でるのもよいでしょう。茹でた卵とじゃがいもがあれば、ポテトサラダも簡単にできます。
茹で卵は冷蔵だと匂いが出てしまってあまり長くもたないのですが、温泉卵はわりと日もちがします。ですから、温泉卵を作るときもまとめて作ります。
温泉卵は、朝ごはんにそのまま出したり、サラダやパスタにのせたりと、とても便利。
このように「この作業、ついでに何かできないかな」と考えるようになると、前向きに料理できるようになります。