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「自分」を仕事にする生き方

2018.07.26 公開 ポスト

「他人の人生」が気になる時代。だから「自分」は仕事になるはあちゅう(ブロガー・作家)

はあちゅうさんが昨年末に発売した『「自分」を仕事にする生き方』は、たくさん方に読まれました。発売後に開催した、刊行記念セミナー(3回)も大盛況で、各回をまるごと電子書籍に収録し発売中です。今回は、第3回の「自分を取材、発信し、好きをお金に換える方法」を改題した『「自分」を仕事にするためにまず始めること』の一部をご紹介します。(構成:アケミン)

他人の生き方をチェックすることに時間をとられている

 以前、宇野常寛さんという評論家の方と対談したのですが、その際に宇野さんが「これからの最先端の仕事は、自分の人生を見せることだ」とおっしゃっていました。

 これからの社会は、ゆったりとラクなほうにラクなほうに、人間が働かなくてもいい方向へ向かっているというのです。もしそうなってくると、みんなどんどんヒマな時間が増えてくる。そもそも都会で暮らしていると、実は忙しいように思えても、生活するためにどうしても必要な時間はほんのわずかで、あとは無理やりヒマをつぶしてるだけなのです。

 先日、友達が移住した福岡の糸島に行ってきました。糸島は、博多から45分ぐらいのところで、そこで友達は猟師をして暮らしています。彼女は東日本大震災が起こったときに「私はお金や仕事があっても、こんな状況の中ではサバイバルできない弱い人間だ」と思い、糸島への移住を決めたといいます。

 糸島では、まず農業を始めて、お米もお野菜も全部自分で作っている。蜂を飼って蜂蜜を作って、水は湧き水を使う自給自足の暮らしです。お肉に関してもイノシシや鹿を自分で捕って、それを保存食にするのもすべて手作り、という生活をしています。

 私は彼女の普段の生活を半日体験させてもらったんですけど、これがとても楽しかった。野山に山菜や菜の花を採りに行って、採ったものをキッチンで料理する。自分たちが捕ったイノシシの肉から作った生ハムも食べさせてもらいました。ものすごく楽しかったけど、気づいたら「生活」をすることで一日が終わっているんです。

 そして東京に帰ってきたときに、実はものすごくヒマな時間があるのだと感じました。普段、すごく忙しい日々を送っているように感じるけれど、その理由はスマホに時間が吸い取られているからなのだと思います。

 自分がチェックしたいものが多いだけで、実はそんなに生活するには忙しくない。SNSを開いて、友達や有名人が「誰と会った」「何を食べた」「どんなことをした」と常に人の生き方をチェックすることに時間を吸い取られている。

 とにかくみんな、「他人が何をやっているか」ということに対してすごく関心がある。だから、「自分」って、自分から見たらごくごく普通で、なんの取り柄もない人間に見えるし、それを仕事にするなんて不可能だと思うかもしれませんが、他人が見たときには他のみんなと違ったり、おもしろいと思われたり、仕事になる部分があるんだと思います。そういうものに、お互いに気づき合えるのがSNSだと思うし、SNSで自分を発信することで自分の中の「仕事になる」ものを見つけられるのでは、と思います。

 この本の中では、「自分を仕事にする」といっても、みんながみんなフリーランスにはならなくていいと書いています。時代とは、緩やかに進んでいくものなので、まだまだ会社員のままで社会との接点を持って、お給料をもらうという働き方を続けたい人が多いと思います。

 いきなりガラッと生き方は、変えられないですよね。

 でもそんな中で、やはりみな、社会との接点や自分を受け入れてくれる場所を欲しているのだとも思います。私がこの本の中で提案したかったのは、何かしら自分の居場所みたいなものを見つけて、そこの芽を自由に伸ばしていくことが誰にも非難されない時代になったらいいな、ということです。「自分を仕事にする」というと、すごく特別な才能や精神が必要だと思われがちですが、決してそんなことはありません。

……続きは、『「自分」を仕事にするためにまず始めること』をご覧ください。

目次
●2018年は人に会うことが楽しくなった
●セクハラ告発は、自分のために行なった
●自分を仕事にするには、楽しいことから始めてみる
●他人の生き方をチェックすることに時間をとられている
●私は弱い、でも弱いまま戦えばいい
●ファンはみんな、心に「はあちゅう」を抱えている
●なにかをやめると、新しいなにかが入ってくる
●もっとも早く稼ぐ方法、それはお金について考えないこと
●これからは恥をかける人が最強だ
●作家の肩書きは、もう目指さない

<Q&A>
Q1 はあちゅうさんの著書の中でオススメの一冊を教えてください。
Q2 はあちゅうさんは、いちどオンラインサロンやテレビ出演をやめたということですが、「物事をやめる基準」はありますか?
Q3 「好きなことをしていたら、自然とお金がついてきた」とおっしゃっていますが、逆にはあちゅうさんが、「これならば、自分はお金をいくらでも費やせる」というものがあったら教えてください。
Q4 社会人3年目の今、今後の未来に悩んでいます。はあちゅうさんが24、5歳のときには今後のキャリアや仕事についてどう思い描いていましたか? そして今のご自身は、その頃に思い描いていたものと違いますか、それとも近づいていますか?
Q5 「まず最初に自分が楽しむ、そこから熱が生まれる」という言葉がありましたが、「熱を持ち続ける」というのは、どのようなことだと思いますか? 楽しむための「熱」の正体とはいったいなんでしょう?
Q6 はあちゅうさんは、さまざまな活動をしていますが、現在の生活時間と収入はどんな構成比なのか教えてください。
Q7 はあちゅうさんがきっかけでVoicyを聞くようになりました。はあちゅうさんほど毎日Voicyを更新しているインフルエンサーはいないと思っています。はあちゅうさんが新しいものに挑戦するときに意識されていることを教えてください。
Q8 はあちゅうさんはしばしば炎上をして、ネットで叩かれることがあります。そういった際のメンタルの強さはどこからくるのですか? スルーするのか、はたまた特殊な技を使っているのでしょうか?

関連書籍

はあちゅう/藤沢数希『男と女がいつもすれ違う理由』

恋愛だけで生きていこうとする女性と、仕事も恋愛も両方頑張りたい女性では、どちらが恋愛に有利なのか――? 「忙しい男は一途で都合のいい女が好きだ」という藤沢数希氏に対して、「恋愛は100%コミットしたからといってうまくいくわけじゃない」と応戦するはあちゅう氏。 恋愛に対して率直な発言が話題のふたりが浮き彫りにする、男女のすれ違いの現実。 限られた時間と金銭の中で、恋愛、結婚はどれほどの価値があるのか? <目次> パート1 男は都合のいい女が好き。 女は自分を好きな男が嫌い。 最初のデートで高級店は重すぎる 女の子から「高級レストランに行ってみたい」とは言いづらい 男は「都合のいい女」が好き? 仕事の能力の高さと恋愛の能力は別物 みんな恋愛も結婚もしなくなっている 恋愛しない人の遺伝子は滅びる 東京のキャリア女は働き蜂? パート2 恋愛は脳内麻薬の仕業。 結婚は金銭の取引契約。 男は大勢にアプローチしないとたったひとりとも付き合えない モテる男は社会から嫌われ、迫害されているかわいそうな存在!? 女性はなんだかんだ言っても「モテる男」が好き 愛とは繁殖のために必要な脳内麻薬の分泌にすぎない? お金持ちは結婚するな!? すれ違うふたりの結婚観 ※本作品のパート1は、幻冬舎plus(http://www.gentosha.jp)で2014年12月に「1周年記念対談」として、パート2は、2015年7月に「『ぼくは愛を証明しようと思う。』発売記念対談」として、それぞれ掲載したものです。

はあちゅう/DJあおい『言葉で心をつかむ。 私たちが考えていること、続けていること。』

一晩で100人のフォロワーが2万人になった謎の主婦、DJあおいさんと、大学時代からカリスマブロガーとなり、常にネット界を牽引しつづける、はあちゅうさん。 いったい、どういう人が、ネットで有名人になれるのでしょうか? また、どうすれば、SNSを使いこなし、楽しむことができるのでしょうか? フォロワーとの付き合い方、自意識の飼い慣らし方、人を惹きつける言葉の生み出し方、そしてネット世界に対する違和感――。 初対談のお二人がネット未公開の秘訣と本音を赤裸々に明かします。 <目次> ●1つのツイートで100人のフォロワーが2万人に ●言葉が言葉を連れてきてくれる時、書くことが快感になる ●朝に生まれる言葉と夜に生まれる言葉 ●誰もが自分の悩みは特別だと信じたがる ●人を気持ちよくさせる言葉は、時に偽善と媚になってしまう ●ネットで生まれた恋は成就するのか ●SNSで露呈される世代別の自己顕示欲 ●他者の言葉が浸透しすぎると、自分の言葉のように錯覚してしまう ●質の良い炎上は最高のエンターテインメント ●文脈を理解せず頭の中で事実を捏造してしまう読者 ●今後書きたいテーマは「反アイドル論」(DJあおい) ●自分の未来に手紙を出し続けることで理想に近づきたい(はあちゅう)

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はあちゅう ブロガー・作家

ブロガー・作家。慶應義塾大学法学部卒。電通コピーライター、トレンダーズを経てフリーに。「ネット時代の新たな作家」をスローガンに、媒体を横断した発信を続ける。2018年7月にAV男優・しみけん氏との事実婚を発表。2019年9月に第一子を出産。『仮想人生』『「自分」を仕事にする生き方』『恋が生まれるご飯のために』(すべて幻冬舎)、『旦那観察日記』(スクウェア・エニックス)、『半径5メートルの野望』『通りすがりのあなた』(ともに講談社)など著書多数。
ツイッター・インスタグラム:@ha_chu

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