少子化社会のモラハラ、パワハラ、マタハラ、セクハラ……と、しなやかに、強かに闘う女性の痛快長篇『四十歳、未婚出産』(垣谷美雨)。書店員さんから、様々な感想が届いています。
大多数の人達と少し違うことをするだけで、白い目で見られる世界に、小さな、でも強い穴を空けてくれる作品だ。日々、息苦しさを感じている全ての人に読んでほしい。 (大垣書店イオンモールKYOTO店 辻香月さん)
優子の行動や決心を全て肯定できる訳ではない。それでも、生きにくい世の中で少ない味方に支えられ、産む決心をする姿に勇気づけられた。
(知遊堂上越国府店 野池裕輔さん)
人間関係が薄まっている今の時代、面倒な相手とは関わらないで生きていたいと思っていますが、身内だからこそ口煩いんだなぁと思うと、温かい優しい涙が流れました。
(ゲオ 星由妃さん)
優子に自分を重ねながらも、同じ状況だったら自分はどうするだろうと自問しながら読みました。いわゆる‟普通”をはみだすとペナルティをつけられるような窮屈な社会で、優子が味方を得ながら前に進んでゆく姿に同じ女性として嬉しくなりました。自分も、もう少しがんばろうと思わされる小説! コミカルなシーンも多く、カラリとした読後感でとても読みやすかったです。
(BookPort栗平店 齊藤愛美さん)
すべての生き方を肯定してくれるような、やさしい力強さに満ちた小説でした。大きなテーマとなっているのは、中年女性の未婚の母問題でしたが、恋愛のあり方や、仕事、家族のあり方といった生き方に関する様々なテーマも含まれていて、すべての人が興味をもって読める内容だと思います。母やマリア、凡庸のキャラがとても魅力的で、こんな人たちに支えてもらえるなら大丈夫、と、なぜか私がうれしくて、心強かったです。力強さと家族のあたたかさ、これからも続くであろう幸せの予感を感じさせられるラストが読む人すべてを包み込んでくれると思います。
(勝木書店本店 樋口麻衣さん)
どうしても水野に真相を告白しようとしない優子の姿勢に正直イライラして、途中で読むのをやめようと思ったくらいでした。普通、そこは言うでしょ!? と。ただ、それを上回るほどに部長や田舎の親族の態度にあぜんとさせられました。でも、それが今の現実なんだなぁと思うとがっかりで。子供を産み、育てること、それがどんなに大変で周りからの支えが必要なことか、その経験がある人なら知っているはずだし、経験がない人はどれだけ不安なことかわかるはず。だからこそ、この今の現実を、この本を読んで変えたいと思ってくれる人が一人でもいてくれたら、そう思ました。
(アマノ有玉店 山本明広さん)
これは男性こそ読まなければならない1冊だ! 仕事、出世、結婚、妊娠、出産……女性がこの社会で生きていく上での障害はあまりにも大きい。真の理解のために語り合うべきテーマに満ちている。幸せとは何かを考えさせ、人生の真理も伝わってくる。既成の価値感がガラリと変えさせるこの著者の眼力と筆力は、この時代に絶対的に必要だ!
(三省堂書店 営業企画室 内田剛さん)
ありがたき実家なり。家族の団結・絆の強さをしみじみ感じました。とても興味深い小説でした。
(旭屋書店アオレヴィ大塚店 北川恭子さん)