7月1日付で、フィリピン・セブ最大級の英語学校QQEnglishの校長に就任した須藤元気さん。元格闘家であり、ダンスパフォーマンスユニット「WORLD ORDER」も主宰する須藤さんに、幻冬舎編集者・箕輪厚介が突撃。株式会社QQ English代表取締役 藤岡頼光さんも交え、須藤元気流英語学習法について語りました。
「自分を伝える文章」を丸暗記する
箕輪厚介(以下、箕輪):須藤さんは格闘家で、しかもダンスパフォーマンスユニットもやられていますよね。そこからどうしてQQEnglishの校長に就任されたんですか。
須藤元気(以下、須藤):実は僕自身、2年間いろんな語学学校に通って英語を勉強していた経験があるんですよね。でも全然上達しなかった。それでも今やっているWORLD ORDERというユニットは、海外からのオファーがほとんどなんです。実際に海外で取材を受けたり、記者会見をやったりする中で、「自分の思いを英語で伝えたい」という気持ちが強くなって。自分の中でメソッドを編み出していきました。
幻冬舎さんから出した本(『面倒くさがり屋の僕が3ヶ月で英語を話せるようになった唯一無二の方法』)でもそのメソッドについて書いたんですが、今度はそれをQQEnglishさんでも教えることができたらなと。
箕輪:え、知りたい!
須藤:まずはとにかく型を作ることですね。
箕輪:それって文章を覚えるということですか?
須藤:そうです。それを何度も繰り返す。300回繰り返したら、ものになりますよ。
みなさん、「Thank you」は躊躇いなく言えますよね。それは「Thank you」という言葉を何百回も言っているからです。だからまず、自分が良く使う文章を丸暗記して、何度も何度も繰り返し言うことが大事ですね。
箕輪:それ、すごく分かります。僕は大学の時にイタリア語専攻だったんですが、「アンディアーモアマンジャーレウナピッザドメニカセーラ」という一文だけ覚えてました。
藤岡頼光(以下、藤岡):どういう意味ですか?
箕輪:次の土曜日、ピザ食べに行きませんか?
会場:(笑)
須藤:いいですね! でも箕輪さんの場合はピザを食べに誘うシーンでしか使えませんよね。しかも土曜日限定。
箕輪:土曜日しか誘えない男(笑)。
須藤:もっとも重要なのは、自分について語れる文章を覚えることです。当たり前ですが、海外に行くと 「あなたは何をしているのか」ということを色んな角度から聞かれます。それを想定して、自分の仕事や出身地、夢などが語れる文章を何パターンも丸暗記することが大切なんです。
箕輪:たしかに! さっきQQEnglishさんで先生とマンツーマンで英会話をしてみたんですけど、まったく言葉が出てこなかった。いくつか丸暗記した文章があれば助かったかも。
藤岡:箕輪さんすぐに教室から逃げ出してきましたよね(笑)。
須藤:まずは単語もそうですが、文章単位でどれだけ丸暗記できているかが重要ですね。
箕輪:すごく分かります。僕もNewsPicks Bookというレーベルで、毎月一冊本を出していて。こんなハイペースで本を作るのは僕くらいだと思うんですが、度を超えるほど量をやって初めて、本がヒットする型のようなものが持てた気がします。あれこれ考えるよりも、とにかく量をやってみるって大事ですよね。
須藤:その通りです。とにかく自分の中に得意なパターンを持っておくことが強みになる。それに、英語に苦手意識がある状態で留学に来ても難しいんです。僕も海外の英語学校に通っていたのでよく分かるんですが、外国人に英語で話しかけられても対応できないから自信を失ってしまうんです。そしてそのうち、日本人同士でつるむようになる。
だからこそ、日本にいるうちから自分のことを紹介する文章を何個も丸暗記しておくこと。それが出来るようになってからQQEnglishに来ると、良いスタートダッシュが切れるのではないかと思います。
何のために英語を学ぶのか
箕輪:英語の学習法はすごく勉強になったのですが、実は僕、それよりも大切なことがある気がしていて。そもそも何のために英語を学ぶのか、はっきり言語化しておくことが大事ですよね。須藤さんが三週間で英語をマスターしたのも、WORLD ORDERの仕事でどうしても英語を話さざるを得なくなったからですよね。
須藤:するどいですね。その通りです。英語ができたほうがかっこいいな、みたいな曖昧なレベルではなく、明確な必要に迫られていたのは大きいですね。
箕輪:だから、その辺のエリートが英語に憧れて勉強するよりも、ろくに勉強してこなかったサッカー選手がプレミアリーグでレギュラー取るために頑張ったほうが、絶対に上達は早いですよね。正しい文法ではないかもしれませんが、実践的な「伝わる英語」は身につくと思う。
藤岡:僕、この前QQEnglishの先生たちを全員集めて説教したんですよ。「なんで教師が1200人もいるのに俺は英語が下手なんだ!」と。そうしたら逆切れされて、「お前は生徒か? 金を払ってないだろう。授業料を払ったら教えてやる」と返されました。
会場:(笑)
藤岡:でも先生たちは、「藤岡の英語は文法もめちゃくちゃだけど、僕たちには聞き取れる」とも言っていたんですよ。きれいな英語であるにこしたことはないけれど、伝えたいという気持ちのほうがより大切なのかもしれませんね。
箕輪:半年前のホリエモン祭りのときに、SHOWROOMの前田裕二さんもQQEnglishに遊びに来ていたんですよ。その時に彼が言っていたのは、「僕は海外で仕事がしたかったから絶対に英語力が必要だった。でも幼くして両親をなくしてお金がなくて留学なんてできなかった。だからNOVAに通ったんです」と。
藤岡:駅前留学のNOVA?
箕輪:そうです。でも生徒じゃなくて講師としてなんですよ。つまり、NOVA講師になってしまえば生徒に教えないといけないというプレッシャーで、死に物狂いで英語を勉強するから。だから講師になったって言うんです。
僕がやってるNewsPicks Bookも同じで、月額サービスなので毎月一冊出さなければいけないというルールがある。だから膨大な量をこなせるし、正しい型が身についた気がする。
やっぱり、さっきの英語を学ぶ目的が明確なほうがいいという話と同じですけど、ある種の強制力があったほうが人は頑張れますよね。
須藤:それは、全くその通りですね。でも動機は堅苦しくなくてもいいと思います。箕輪さんがイタリア女性を誘おうとしてイタリア語を一文暗記できたように、女の子にモテたいでも、英語を話せる人を見てカッコよかったでもいいと思います。
箕輪:動機が軽くても思い描ければいいですよね。その辺RIZAPはうまくできていて、最初に自分の理想の身体の写真をプリントアウトしてノートに貼るんです。僕は山本KID選手だったんだけど、もうこんなブヨブヨに戻っちゃった。元気さんに鍛えてもらわなきゃ(笑)。
英語多動力を身につけろ
須藤:今の英語学校は英語を学ぶだけしか出来ないので、もったいないですよね。例えば、英語×スキューバダイビング。セブのきれいな海でスキューバのライセンスを取りながら英語を学べる。さっき箕輪さんも言ったように目的があったほうが英語は身に付きます。スキューバで必要な言葉を英語で学びながらライセンスを取れば、一石二鳥です。
箕輪:すごい、超行きたい!
須藤:あとは英語×トレーニング。3週間で英語を学べて、身体も引き締まります。QQEnglishさんにはトレーニングジムもあるし、寮に泊まっているわけだから食事も完璧にコントロールできます。3週間あれば見違えた体になりますよ。
箕輪:でも本当に最高ですね。まさに須藤元気って人にぴったりの企画。須藤さん自身が格闘家をしたり、アーティストになったり、英語学校の校長先生になったりとまさに多動力の人ですもんね。
藤岡:それこそ箕輪さんも、サラリーマンの編集者でありながら、セブにもひょいって来ちゃうし、テレビに出たりオンラインサロンやコンサルをやったり多動ですよね。
箕輪:堀江貴文の『多動力』を編集したら、気が付いたら多動の人に変身してましたね。でも、あれこれ手を出してみて感じたのは一つに集中するよりもプラスだということ。コンサルで得た知識が編集で役立ったり、テレビで話す経験をすると本の発売イベントなどでモデレーションやるのも随分と簡単になります。色々やるからこそ相乗効果が生まれますよね。
須藤:まさにその通りです。だから僕はQQEnglishで「英語×〇〇」という企画をたくさん作ってみなさんに喜んでもらえたらと思っています。
箕輪 いや、本当に帰りたくなくなってきました。
一同:(笑)
構成:檜山 萌子