8月24日に房野史典さんの『笑えて、泣けて、するする頭に入る 超現代語訳 幕末物語』が発売になります。
ということで、カバーデザインを初チラ見せ(^^)!
前作『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代』の発売以来、数多の「歴史嫌い」を、「歴史ラブ介」&「歴史ラブ子」へと変えている房野さん。
しかし、戦国時代以上にフクザツな幕末。
戦国時代と何がいちばん違うって、外国がいっぱいやってきちゃうこと!
そのあたり、さくっとわかりやすくまとめちゃうので、ぜひどうぞ!
しかし、この「やられっぱなし」感、現代の日本と、あまりに似ている…!?
映画ヒットして聖地巡礼してんのかってくらい来る
幕末エピソード2です。
それでは前回の軽いおさらいを。
ペリーちゃん、黒船で日本にやって来る。
↓
幕府大あわて。
↓
とりあえず、アメリカからのお手紙受け取る。
↓
ペリーちゃん「来年またくるよ」宣言。
↓
みんなから意見聞いて、幕府の力、パワーダウン。
浦賀に突如現れた黒船。
さんざん振り回された徳川ジャパンは、「また来るよ」と言ったペリーさんに頭を抱えます。
幕府の人「いったんペリー帰ったけど、これからどうすりゃいいんだよ……」
幕府の人「あのー……。眉毛が八の字中、申し訳ありません。今度はロシアが来てますが……」
追い討ちをかけるように、今度はロシアのプチャーチンって人がやって来て、幕府は大いにグズります。
プチャーチン「仲良くしよっか? ねぇー開国しようよ~!」
幕府の人「ロシアもアメリカと同じようなこと言ってきた! これ……どうすんのよ!?」
おもくそテンパる幕府ですが、それに負けじとテンパった人物が、香港にいたペリーさんでした。
ペリー「ヤバいヤバいヤバい! 最初に開国させてこそ、有利になることがいっぱいあるんだ! 他の国に先を越されちゃまずすぎる……日本行くぞ!」
ペリー部下「えー! 真冬の海渡るのキツーい! ヤダー!」
ペリー「文句言うな! ほれ、タータターンターンターンターン!♫」
ペリー部下「………タータターンターン……」
全員でアメリカ国歌を歌いながら(歌ってないと思います)、予定前倒しで、再び日本にやって来ます。
予告通り、船増えて、7隻で日本到着(あとで追加されて9隻)。
日本側「……次に来るのは春って言ってましたよね? こっちは、将軍様(12代家慶)が亡くなられて1年経ってないんです。バタバタしてるこの時期に来られても……。それに、ここ江戸湾(今の東京湾)すよ。前回浦賀で今回江戸湾……。さすがに江戸に近づきすぎです。あの、浦賀か鎌倉に移動してもらえませんか」
ペリー「ムリです。江戸行くから」
日本側「じゃ横浜」
ペリー「あーね」
話し合いの場所は、横浜村(横浜市だよ)に決定します。
で、移動して早速、
ペリー「お手紙の返答ください」
もう絶対、何らかの答えを出さなきゃダメ。もうちょい待ってよ、なんて言えない状況。
こうなると大事なのは、"譲れない"部分をはっきりしておくことです。
交渉にあたった、林大学頭(はやしだいがくのかみ)さん、ゆずれない願いを抱きしめます。
林大学頭「石炭や食料を提供するとか、難破したら保護するとかはオッケーです」
ペリー「マジで!? いいねー!」
林「ただし……"貿易"は無理です!」
ペリー「はにゃ?」
林「鎖国は日本の昔からの法律! 欧米との貿易はその決まりを破ることになる! だから、貿易だけはできない!!」
ペリー「うん、別にいいよー」
ゆずれない願い、抱きしめてもらえました。
貿易をやったら、今まで築き上げた幕府のルールが崩れ、さらには、欧米に侵略される危険性も出てくる……林さん、そこだけは突っぱねたんです。
でも、ペリーさんは貿易以外の要求が通ったことに大満足で、それにオッケーサイン。
ということはつまり……。
200年以上続いていた"制限された交流"が……。
おわりです。
ペリー&林「条約……結ぶぞーーー!!」
ということで、
日米和親条約
って名前の条約が結ばれましたとさ(《神奈川条約》って言ったりもするよ)。
主な内容はこんな感じ(全部で12ヶ条ね)。
1. アメリカと日本は、永久に仲良しね。
2. 下田港(静岡県)と箱館港(北海道)開いてね。ここでは薪、食料、石炭がもらえることにしまーす。
3. アメリカの船が難破したら、乗ってる人保護してね。
(中略)
9. 今後もし、日本が他の国ともっといい条件で条約結ぶとするよね。そしたらその条件は自動的にアメリカにもあてはまることにしてー("最恵国(さいけいこく)待遇(たいぐう)"っていうよ)。
11. 下田に、外交官の人おかせてね(これ、後でポイントになってくる項目)。
このあと、場所を下田に移して話し合いが続き、細かい条約が決定します(《下田条約》ってんだ)。
海外への窓を少しだけ開けた日本。
しかし、これから続く、異国との新鮮すぎる交流は、この後あっと驚く大ハプニングを続々箱買いしていくようなもん(間違えがちだけど、この時点じゃ"完全に開国"してないよ。貿易オッケーしてないんで)。
さて、ペリーさん再来日からの条約で、「これまで以上に外国に備えるぞ」と、決心を固めたのが、
「もっと改革だーー!!」
と、幕府の中心で改革を叫ぶ阿部正弘。
諸藩がデケー船造るのを解禁したり(禁止されてたのよ)、人材を育てるため、いろんな施設を作り上げたりします(講武所(こうぶしよ)、長崎海軍伝習所(でんしゆうじよ)、蕃書調所(ばんしよしらべしよ)っての作るよ。蕃書調所は東京大学の元になった1つっす)。
前回からの色とりどりの改革をまとめて、
安静の改革
って言うんですが、気になったら気にしといてください。
そんなこんなで、外国がやって来ることに備えてたら……来るんですね、条約の噂を聞きつけたみなさんが。
イギリス「聞いたよぉ。アメリカと条約結んだんだってぇ?」
日本「な、なんですかあなたは! 急に来て……!」
イギリス「ずるいなぁ、アメリカとだけ楽しいことして……オレとも条約結んでくれよぉ」
日本「な、なにを言ってるんですか……そんなことできるわけな……」
イギリス「いいじゃねーかよ!」
日本「きゃっ!」
日英和親条約締結。
ロシア「オレもだ!」
日本「きゃっ!」
日露和親条約締結。
オランダ「こっちもだよ!」
日本「きゃっ!」
日蘭和親条約締結。
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笑えて、泣けて、するする頭に入る!超現代語訳 幕末物語の記事をもっと読む
笑えて、泣けて、するする頭に入る!超現代語訳 幕末物語
歴史大好き芸人・ブロードキャスト!!の房野史典さんの初めての本『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代』は、面白すぎてヤバイ!ととても話題になりました。発売になると、有名な歴史の先生方も「こんなに面白く読ませるなんて!」と大絶賛でした。
その房野さんが、今回「幕末」を面白く書いた!
幕末は、戦国時代以上に、日本中で”怒涛の人間ドラマ”だらけ。その分、ややこしくもあるのですが、房野さんに任せれば、とても楽しい面白読み物に!
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