◆人事部が悪い社員を社内調整=ブッ殺す!?◆シリーズ累計150万部「ニンジャスレイヤー」チームが描く衝撃の社内スパイアクション『オフィスハック』待望の4thシーズン! 舞台は東京・丸の内の巨大企業T社。人事部特殊部隊「四七ソ」の香田と奥野に今日も新たな社内調整指令がくだる。不正を働くオフィス内のクソ野郎どもをスタイリッシュかつアッパーに撃ち殺せ。テイルゲート! ショルダーサーフ! 禁断のオフィスハック技の数々を正義のために行使せよ!
◆7◆
「チクショウ! 人事部の犬どもめ! 物わかりが悪すぎるぞ!」
BRATATATATATATATTATATATATATA!
再び御子柴部長のオート射撃。流れ弾が大麻プラントを破壊する。そこかしこで赤紫色のランプやLEDが砕け、ガラスが割れる。
だが冷静さを欠いた銃弾は、おれたちに掠りもしない。
BLAM!
代わりに、おれの射撃が御子柴の肩を撃ち抜いた。
「アーッ!」
御子柴は悲鳴をあげ、苦しげに顔を歪めた。
「部長!」「部長が調整された!」「ヒイイイイ! もうだめだ!」
ならず者社員たちは一斉に戦意を喪失し、蜘蛛の子を散らすように逃げ始めた。
無抵抗の奴らは調整しない。
おれと奥野さんは険しい顔のまま、御子柴だけを追い詰めていく。
「おのれ……! 四七ソめ……!」
御子柴は肩を押さえ、血を垂らしながら、奥へと逃げていく。
時折、奴はおれたちのほうを振り返り、マシンピストルの引き金を引いたが、鎖に繋がれた悔しげな猟犬みたいに、弾切れのクリック音をガチガチと鳴らすだけだった。
「観念して武器を捨てなさい!」
御子柴の右手から奥野さんが迫る。
「あんた一人の企みじゃないだろ、御子柴部長! コンサルは何処にいる!?」
反対方向からはおれが挟み撃ちにする。
「な、何故それを……!」
御子柴部長はギクリとした顔を作った。
やはりそうか。ONDO事件からここ数ヶ月、T社グループの事業部長級が次々に劇的な堕落を遂げていた。そしてその背後には、サカグチ率いる闇のコンサル集団、通称「ダーク・ガバナンス」の影がちらついていたのだ。
御子柴を確保できれば、その背後関係がついに掴めるかもしれない。
T社グループ全体を揺るがしかねない、巨大な腐敗のネットワークが……!
「第一人事部の慈悲に身を委ねなさい。態度次第では、寛大な措置が……」
奥野さんが注意深く距離を詰める。
「クソーッ! お前たちの年収はいくらだ!? どうせ大した給料も貰っていないくせに、生意気な! ここに積み上げてある乾燥大麻だけで、末端価格にしていくらあると思ってるんだ!」
御子柴が逆上し、ブロック状のバッズを掲げて叫んだ。完全に目つきがおかしい。今すぐトリガーを引くべきか。おれと奥野さんはアイコンタクトを取った。
……まだだ、奴の銃はいま弾切れを起こしている。反撃は不可能なはずだ。
「買収は無駄だ! 銃を捨てなさい!」
「両膝をついて、人事部の慈悲に身を……!」
だが、その時だ。
「ハハハハハ! 人事部など信じられるか! 貴様らも道連れだ!」
御子柴部長は素早くジッポライターを取り出し、それでブロックバッズに火をつけ、乾燥大麻が大量に入ったポリバケツへと放り込んだ。
一瞬の出来事だった。銃弾で火を止めることはできない。
見る間に炎が燃え上がり、凄まじい煙が湧き出して、フロア内に充満し始めた。
くそったれめ。
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