◆人事部が悪い社員を社内調整=ブッ殺す!?◆シリーズ累計150万部「ニンジャスレイヤー」チームが描く衝撃の社内スパイアクション『オフィスハック』待望の4thシーズン! 舞台は東京・丸の内の巨大企業T社。人事部特殊部隊「四七ソ」の香田と奥野に今日も新たな社内調整指令がくだる。不正を働くオフィス内のクソ野郎どもをスタイリッシュかつアッパーに撃ち殺せ。テイルゲート! ショルダーサーフ! 禁断のオフィスハック技の数々を正義のために行使せよ!
◆8◆
「ゲホッ! ゲホーーッ!」
おれと奥野さんは必死で煙の中を走っていた。
ならず者社員たちもパニックを起こし、蜘蛛の子を散らすように逃げていた。
ブンズーブンズーブンズーブンズーブンズーブンズーブンズーブンズー。
突然、頭を殴りつけられるような重低音の音楽が聞こえ始めた。火災でフロアの音響設備が誤作動し始めたのか? それとも……幻聴か?
「音楽が!」
おれはよろめきながら叫んだ。距離感覚もおかしくなり始めた。視界が回転を始める。
なんだこりゃ、煙を吸い過ぎちまったのか。
「どうしました!」
煙の向こうから奥野さんの声。
「奥野さんも! 音楽、聞こえていますか!?」
「聞こえます! まるで工事現場だ!」
「良かった! なら、幻聴じゃないですね!」
「大麻で幻聴は起きません! 煙を吸わないで、こっちへ!」
奥野さんの姿が見えない。煙の向こうに声が遠ざかっていく。
ブンズーブンズーブンズーブンズーブンズーブンズーブンズーブンズー。
また巨大な音の塊が降ってきた。地震みたいに膝が震え、動けなくなる。
『香田! 何やってンの!?』
鉄輪の声が、頭の奥へ直に響いてきた。インカムのせいか。
「見えないんだよ、前が!」
直後、おれの視界がスターウォーズのワープ航法みたいにギュンと加速した。
奥野さんがおれの腕を掴んで引っ張ってくれているのだ。
だが、まずい。体の感覚がおかしい。
「鉄輪さん、ナビを!」
奥野さんの声。
『何とか監視カメラを乗っ取った! 廊下はまだ大丈夫! そのまま直進、突き当たりで右に逃げて!』
「アー? よく聞こえない、もう一回言ってくれ」
おれは頭がボンヤリして、呂律も回らなくなってきた。
『だから、そのまま直進、突き当たりで右に逃げて! 逃げて!』
頭の中に鉄輪が住み着いているようだった。
『奥野さん、そいつ引っ張って!』
「了解です! 香田さん、こっちです!」
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