◆人事部が悪い社員を社内調整=ブッ殺す!?◆シリーズ累計150万部「ニンジャスレイヤー」チームが描く衝撃の社内スパイアクション『オフィスハック』待望の4thシーズン! 舞台は東京・丸の内の巨大企業T社。人事部特殊部隊「四七ソ」の香田と奥野に今日も新たな社内調整指令がくだる。不正を働くオフィス内のクソ野郎どもをスタイリッシュかつアッパーに撃ち殺せ。テイルゲート! ショルダーサーフ! 禁断のオフィスハック技の数々を正義のために行使せよ!
◆10◆
サカグチは部屋の真ん中の大きな円卓にどっかと足を投げ出し、ふんぞり返ってスマホを操作している。
そう、円卓。この会議室の小粋な間接照明も、到底一般会議室らしからぬ様子。むしろ中目黒のレストランを連想させ、ミステリアスだ。加えて言うなら、椅子はハーマンミラーの最高級のものだ。
サカグチの出で立ちは、七分丈のスラックスに、上等なレザーサンダル。白無垢シャツに薄手のジャケット。からし色のクラッチバッグ。カール気味のパーマヘアに顎髭。どう見てもグループ社員ではない。社外コンサルのそれだ。
「……悪いねぇ、サカグチ君。わざわざ来てもらっちゃって」
円卓の奥で、顔の見えないもう一人の男が言った。
間接照明のため、そこだけ影が落ちたように暗くなっているのだ。
「いえ。ギャラさえ払ってもらえるんなら、俺は世界中どこにだって行きますよ。俺を消そうとした奴らの巣穴にだってね。とびきりの美女を用意してくれるんなら、その巣穴の前でツイストを踊ってやったっていい」
サカグチはいつものように、相手の顔も見ず、スマホを操作しながら返した。
「最近はどこ行ってたの、ドバイ?」
「ロシアですよ。サッカーワールドカップ」
「へえ、日本勝ったの?」
「負けましたね、ベスト16で」
「ふうん」
「ちなみに、クロキの奴はまだ社内留置所にいるんですか」
「クロキ君……? ああ、テイルゲーターの彼か。あれは失敗しちゃったね。第一人事部と第二人事部を潰し合わせるっていう君の案は、結構いけるかなと思ったんだけど、むしろ人事部同士が結束深めちゃって困ったよ」
「あれは、あんたの案でしょう」サカグチは顎鬚を尖らせながら言った。「俺とクロキは依頼通りにやっただけですよ」
「そうだったっけ? まあ、どっちでもいいよ。細かい事まで覚えてないから」
「じゃあ、クロキの状況も知らないですよね」
「うん、急に言われてもさ、知らないよ、そんな所まで。皆よく勘違いするけど、全知全能の神じゃ無いんだから。どれだけ僕のT社グループが大きいと思ってんの。フフッ」
顔の見えない男は小さく笑った。
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