視覚にデザインがあるように、当然、音にもそれは存在する。
音のシャワーともいうべき蝉の音が降る七月のおわり、何もやることがなくて、いや、正確には山積みなのだが、何一切のやる気が起きなくて、ベッドの上で一塊の肉になって駄々をこねている。くるまった体は成虫前の虫のよう。季節外れだ。
窓の網戸にとまった蝉を指でつまみ、部屋の中に招き入れ観察すると、なかなかえぐいデザインをしている。神様という奴がクリエイターなのだとしたら、随分と攻めた造形をつくったものだ。
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