◆人事部が悪い社員を社内調整=ブッ殺す!?◆シリーズ累計150万部「ニンジャスレイヤー」チームが描く衝撃の社内スパイアクション『オフィスハック』待望の4thシーズン! 舞台は東京・丸の内の巨大企業T社。人事部特殊部隊「四七ソ」の香田と奥野に今日も新たな社内調整指令がくだる。不正を働くオフィス内のクソ野郎どもをスタイリッシュかつアッパーに撃ち殺せ。テイルゲート! ショルダーサーフ! 禁断のオフィスハック技の数々を正義のために行使せよ!
◆14◆
おれは私物のブリーフケースを放り捨て、机の下に隠れた。内線受話器を持ったままだ。
BLAM! BLAM! BLAM!
ならず者社員の3Dプリント拳銃が火を噴いた。銃弾は、後ろの防弾パーティションに突き刺さり、なぎ倒した。向こう側の別部署で悲鳴が上がった。
何てこった。四七ソが殴り込みを受けるなんざ、前代未聞だぞ。
「こいつらニセ業者だ! 二三バイの残党だ!」
おれは机の影から叫んだ。鉄輪も高橋も、間一髪、机や防弾パーティションで銃弾をかわしていた。
「俺がこいつらブッ殺す! 段ボール、とっとと運べ!」
敵のリーダー格が机の島の上に跳び乗り、3Dプリント拳銃を構えて威嚇した。その間に、他の2人のニセ作業員が段ボールを抱え、もう1人の拳銃持ちがそれを援護した。
「出てこいや、人事部の犬がァーッ!」
リーダー格はせわしなく、四方八方に銃口を向けて威嚇した。不安感が丸出し。素人の甘い動きだが、おれたちは丸腰で、流石に分が悪い。
この中で白兵戦の心得があるのは、たまに新宿のジムに通っている鉄輪だけ……。目をやると、鉄輪はもう物陰から飛び出し、机の上に飛び乗って、リーダー格の男にアーバン・シラットで襲いかかっていた。
「死ね!」「アーッ!」
鉄輪の鋭い肘打ちが後頭部に命中した。不意を打たれたリーダー格は、よろめき、拳銃を取り落とした。
拾われる前に、鉄輪が靴のカカトでそれを後ろへ蹴り飛ばした。拳銃はバーカウンターのカクテルみたいに机の上をシャッと滑り、高橋の前へと到達した。
「1挺、確保しました!」
片膝立ち姿勢のまま、高橋がそれを取り上げ、鋭い声で叫んだ。
「いいぞ高橋!」
BLAM! BLAM! BLAM!
敵の銃弾がおれの声を遮った。
「ちくしょう! 人事部の犬がァーッ!」
もう1人のならず者社員が、高橋に威嚇射撃し、おれたちの反撃を封じた。
並んだ机の上では、鉄輪とリーダー格の男が激しい白兵戦を続けている。誤射の危険があるため、敵も高橋も、銃弾で支援することはできない。
その間にも、他の2人のならず者社員が、機密段ボールを抱えて遠ざかってゆく。
「クソッ……!」
おれは身を隠したまま、テイルゲートの機会がないかをうかがい続けた。
だが、少しでも顔を出せば……。
BLAM! BLAM! BLAM!
この通り、威嚇射撃が飛んでくる。
「抵抗やめなさい!」
BLAM! BLAM! BLAM!
奪った銃で、高橋が物陰から反撃を行う。フロアの各所で悲鳴が上がる。
「香田! あいつら段ボール持って逃げるよ!」
鉄輪の声が聞こえた。鉄輪は敵のリーダー格に膝蹴りを入れたところだった。
『香田! 状況説明!』
内線電話からは室長の声が聞こえてくる。
そろそろおれの処理能力も限界に近い。
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