今週日曜は、バンドが僕ひとりになってから初めてのフェス出演。『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018』に出ます。調べてみたらこのフェスに初めて出たのが2013年だから、もう6回目の出演になんのか。
色んなフェスがあるけれど、出るバンドのラインナップってどうやって決まってるかというと、僕は「主催者側の表現」ということだと思う。人気あるバンドを上から順に選びました、なんてくそダセえ基準じゃなくて、主催者として、誰を応援したいか、誰を世に知らしめたいか、誰と共に戦っていきたいか、ということの表明。僕の知っているロックフェスは全てそうです。人気者だけを出してりゃ動員的には安泰なんだろうけど、そんなしょーもないことはしない。リスクを背負って、出したい人を出す。だって“ロック”っていう名前が付くフェスなんだもん。フェスを主催するというのは、表現行為なんだよ。
で、今週末『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018(以下、JAPAN)』に出るんですけど。僕は勝手に、特別な想いを感じている。最初に書いたみたいに、忘れらんねえよはひとりになった。外から見れば、大変な時期。このバンドがどうなるのか、全く分かんない時期。俺だって分かんない時期。なのにさ、なのにJAPANは、忘れらんねえよに何の迷いもなくオファーをくれました。そして、ステージ昇格です、って当たり前のように連絡をくれました。それもフェスにとっておそらくとても重要な、2番目にデカいステージに出演してください、と。僕は、ちょっと泣いた。なんだよこれ、漫画かよ。そのとき僕は、日本橋ヨヲコ先生が生み出した青春漫画の最高峰『G戦場ヘブンズドア』のクライマックスで、鉄男の代わりに絵を描く決心をした町蔵に、阿久田が「勝手にしろ」つってかすみ草をそっと投げ置くシーン、を思い出しました(ここ最高なんだよ!!!!てか全てのシーンに歴史的名言が散りばめられててほんっとすげー漫画なんだよ『G戦』は!!!!!ちなみに未読の人がいたらどうかお願いします読んでくださいマジ読んでください人生で一番の漫画になる可能性ありますからお願いします)。
そうそう、フェスにあまり馴染みがない方に説明をすると、大体のフェスには、特大、大、中、小ぐらいのサイズの違うステージがあって。小さいステージから始まったバンドは、来年はひとつ上のステージに行くんだ!って昇格を目指すものなんです。それはロックバンドの本能というか、デカいステージの上からのすげー景色を見たい、とか、ひとりでも多くの人に自分という存在を知らせたい、とか、そんな想いからくるものなんですけど。で、忘れらんねえよはずっとあるステージから先に進めなくて、悔しくて、ジタバタしとったという背景があったのです。
JAPANは、忘れらんねえよがひとりになっても、前とおんなじ顔して、やれよ、って言ってくれた。JAPANだけじゃない。ムロフェス。BAYCAMP。RUSH BALL。夏の魔物。彼らのロックンロールの中に、忘れらんねえよの火は、まだ残っていてくれたようだ。
やるよ。俺の信じるロックンロールというものを、鳴らしに行くよ。
今週末、8月12日11時40分。ひたちなかで待つ。
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おしぼりを巻き寿司のイメージで食った
いつだって”僕ら”の味方、忘れらんねえよ。
「恋や仕事や生活に正々堂々勝負して、負け続ける人たちを全肯定したい」という思いで歌い続けてるロックバンド。
そんな“忘れ”のボーカル、ギターの柴田隆浩が、3年半ぶりにエッセイを書くことに!メロディーはもちろんだが、柴田の書く言葉に、ヤラレル人多数。
“二軍”の気持ちを誰よりもわかってくれる柴田の連載。
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