◆人事部が悪い社員を社内調整=ブッ殺す!?◆シリーズ累計150万部「ニンジャスレイヤー」チームが描く衝撃の社内スパイアクション『オフィスハック』待望の4thシーズン! 舞台は東京・丸の内の巨大企業T社。人事部特殊部隊「四七ソ」の香田と奥野に今日も新たな社内調整指令がくだる。不正を働くオフィス内のクソ野郎どもをスタイリッシュかつアッパーに撃ち殺せ。テイルゲート! ショルダーサーフ! 禁断のオフィスハック技の数々を正義のために行使せよ!
◆24◆
「ハァーッ、ハァーッ、ハァーッ……」
奥野は胸を押さえながら、立ち上がった。柵に触れ、その先に立つ御子柴を睨んだ。
御子柴は、歯をグリンと剥き出しにして笑った。
「ハハハハ! そうだ! お前たち犬は、この柵を乗り越えられないんだよ! お前を繋いでる見えない首輪と鎖が、ここから出ちゃダメだって言っているんだよ! とっとと飼い主のところに戻るんだな!」
「……」
奥野は項垂れた。香田の顔が脳裏に浮かんだ。歯噛みし、苦悩した。
そして決意した。
奥野は顔を上げ、柵を乗り越え始めた。
彼の目は強い使命感に燃えていた。
「おい、なんだお前……! こっちに来るな! お前にもう勝ち目は無いんだぞ!?」
御子柴は困惑し、逃げた。何度も振り返りながら。
「ハァーッ、ハァーッ、ハァーッ……!」
奥野は柵を越え、植え込み花壇の縁に着地した。そのまま歩道へと降り、御子柴を追った。
「おい、やめろ、お前、来るな! 狂ってる!」
御子柴は後方の奥野を指差しながら叫んだ。
だが奥野は追跡を止めなかった。御子柴は恐怖に震えた。
「つきまといだーッ! 犯罪だぞーッ!」
この炎天下に歩道を歩くものは少なかった。わずかにいる丸の内のサラリーマンたちも、この追跡劇に対して見て見ぬ振りを決め込んだ。
御子柴は着地時に痛めた足を引きずりながら、コンビニ目指して走った。
「助けてくれ! 暴力! 暴力だーッ! 暴力が来たーッ!」
御子柴は叫び、そのまま店内に駆け込んだ。
騒然となった。
「な、何ですか一体!?」店員が叫ぶ。
「助けてくれーッ! 頭のおかしい奴がいるんだ! 警察を呼んでくれ!」
御子柴はレジカウンターに並んでいた客を無理やり押しのけ、店員に食ってかかった。
「ヒイイイイ!? 頭のおかしな奴が!? 警察を!?」
「そうだ、早く警察を呼んでくれ! 私は被害者なんだよ! 早く呼べバカヤロー!」
御子柴はカウンターを叩き、部下に接するように詰め寄った。
「ヒイイイアアアーーーーッ!?」
店員はパニックに陥り、悲鳴をあげ、非常ベルボタンを押した。
ジリリリリリリリ! 非常ベルが鳴り、店外でもランプが回転し始めた。
「よし、これでもう奴も入ってこれまい……!」
御子柴は胸をなでおろしかけた。直後、
「げえッ!?」目を剥いた。
「ハァーッ、ハァーッ、ハァーッ……」
奥野が、コンビニの中まで乗り込んできたのだ。
「エッ!?」「何これ何これ!?」「ヤバイってこれ!」
拳銃こそ持っていないが只ならぬ雰囲気は分かる。
客はそそくさと店外へ逃げていった。
「おい、待て君……! 暑さに頭をやられて、コンプライアンスを忘れたか!? 待て! やめろ!」
御子柴はひるんだ。奥野は待たなかった。
「いいえ、忘れていません」
奥野は怒気を押さえた声で歩み寄ると、レジ前の御子柴に掴みかかり、そのまま力づくで壁際に押し付けた。
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