渋谷の雑踏からギャルがいなくなった。ギャル男はもっとどこにもいない。数年前は金キラのライオンの雄、雌のように逆立てた黄金色の毛がタクシーの黒い排気ガスで揺れながら、鱗粉をこぼすように街に彩りを落としていたような気がするが、何に移り変わったのだろうか。相変わらずこの街は衣替えが早い。
妖怪大戦争のよう、街を飛び交う人や物の情報量が飛散していて、前後左右から飛び出してくる個性に、地方出身を引きずるわたしの心は火を吹いて爆発しそうになる。
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