シリーズ累計120万部突破!
バスケの強豪校でいじめに遭い、失意のまま都立T校に編入した陽一を待っていたのは、弱小バスケ部の個性的な面々だった――。
連戦連敗の雑草集団が最強チームとなって活躍する痛快青春小説。
11月3日(土・祝)から絶賛公開中の映画『走れ!T校バスケット部』。
原作は累計120万部突破、松崎洋のベストセラー『走れ!T校バスケット部』シリーズ。連戦連敗の弱小バスケ部が、最強チームとなって活躍する痛快青春小説だ。
強豪校でいじめを受けて一度はバスケを諦めた元エース・陽一役に志尊淳、弱小T校バスケ部キャプテン・俊介役に佐野勇斗、共演に戸塚純貴、佐藤寛太、鈴木勝大、西銘駿、阿見201と若手注目俳優が勢揃いする本作。
幻冬舎plusでは映画公開を記念して、ヒロインでT校バスケ部マネージャー・佐藤浩子役を演じた早見あかりさんのインタビューを3回にわたってお届けする。第2回は、早見さん自身の仕事と夢、大切な仲間、そして映画でも重要なテーマとなる、いじめ問題について――。
(撮影:岡村大輔/インタビュー&構成:藤原将子)
* * *
──早見さんご自身には、T校メンバーのように「仲間!」と思える存在はいますか?
大人になってから出会った人ももちろん大切なんですけど、中学校や高校の、いちばん複雑な時期というか、多感な時期に一緒にいた人たちは、今の私を形成するにあたって大事な人たちだと思うので、やっぱりいますね。地元のお友達だったりとか。
今でも実家に帰ったりするタイミングで、会える人はもう、かたっぱしから連絡して「会えるかな?」って。何日か実家にいたら「1日目はこの人、2日目はこの人、3日目は……」という感じでスケジュールを組んだりするくらい。そういう人たちのほうが、会わない期間が長いけど、会わなくてもわかり合える。「あのとき楽しかったよね」っていう話で盛り上がれる。だから、このT校のメンバーもいいなって思いますね。
──シリーズが進むにつれて、そのT校のメンバーもそれぞれの夢を見つけて、それぞれの道を歩いていきます。早見さんご自身に、夢を持った時期や、それに向かって何かをした経験、もしくはターニングポイントになった出来事があったら教えてください。
高校を卒業するタイミングで大学に行かなかったこと。ここが私にとって「この仕事で生きていく」って決意した瞬間だったんですけど、それまではなんとなくふわっと……っていうのは言い方が悪いんですが、そういう気持ちで中学生、高校生と芸能のお仕事をしていて、「一生これで食べていく」っていう覚悟はなかった。でもそこで、大学に行かないって決めたときに、「ああ、これが私の一生の仕事になるんだろうな」と思いました。
それから何年かたって、今こうしてお仕事ができているのは……、「何を努力していたのか?」と聞かれたら、そのときそのとき必死で生きてきたので、あんまり覚えていないんですけど。
──芸能のお仕事を一生のものにしようと決めたのには、何か理由やきっかけがあったのでしょうか。
……思いつき?(笑)。基本的に私、「人生は楽しくなければ意味がない」と思っていて、自分が楽しいって思えることをやりたいと思っているんです。そのときの自分にとって楽しいのはどっちかなって考えたときに、大学に行くことじゃなくて、このお仕事を一生懸命やることだった、というだけです。
でも、周りにもいろいろな意見をくれる人たちがいて、「大学に行ったほうがいいと思うよ」とか言われたりしたのですが、いちばん近くにいる母親が、「あなたの人生なんだから、あなたが決めればいいんじゃない」って。母はもともとそういうタイプで、それまでもいろいろなことを、全体的に自分で選択してきたんですね。「あれをやりなさい」「これをやりなさい」と言われたことがほとんどないんです。ある意味自由だけど、ある意味自分に責任があるというか。
──この「T校」シリーズには、バスケの楽しさやチームプレイ、仲間の大切さとともに、「いじめをなくしたい」「命を大切にしてほしい」というメッセージも強く込められています。ご自身にもいじめのような経験はありますか?
ありますね。今は全然、「なんでそんなことで?」って思うんですけど、私、純日本人なんですが、子どもの頃からよく「ハーフっぽい」って言われてたんです。それで、小学生のときに「お前は外国人の血が入っている!」という感じで、決めつけるような強い言われ方をして、傷ついたことがあって。今は別に、「ハーフっぽいよね」とか「外国の血が入ってるの?」って言われても何も思わないし、むしろはっきりした顔で生まれてこられてよかったなと思うくらいなんです(笑)。でも、小っちゃい頃の自分には、それがすごい衝撃的な言葉で。疎外感を感じたというか……。そういう経験があったときに、「ああ、人に意地悪はしちゃいけない」って思いました。自分がされたから。
結局どうやってそこから立ち直ったのか、ちゃんと覚えていないんですけど、あるとき家で母に泣かれたんですね。私の様子がおかしいことに母がちゃんと気づいてくれたのが、立ち直れたきっかけだったと思います。小学生のいじめなので、パッと終わったんだと思うんですけど。でもきっと、母が気づいてくれて、気持ちを吐き出すことができて楽になった感じかな。
いじめに遭っていても、そのことを誰にも言えない子が多いっていうじゃないですか。家でも学校でも、どこにいても偽ってなきゃいけない。それは本当につらいだろうなと思います。
──逆に、いじめに遭っている子に対して何か手助けをしたりといった経験があれば教えてください。
自分をよく言うつもりはないんですけど、中学校とか高校とか思春期には、仲間はずれにされがちな女の子ってけっこういるじゃないですか。私はその頃から群れをなすタイプじゃなかったというか、仲のいい子がいろんなところにいるというような、少人数での付き合いを幅広くしていました。
6~7人の大所帯で、グループで仲よくするタイプじゃなかったので、たとえば修学旅行とか、イベントのときにひとり余っている子がいたら、その子を自分たちのメンバーに誘ったりというのを、積極的にしてたんですね。自分が嫌な思いをしたこともあるし、同じ感覚の子と仲がよかったからだと思います。6~7人のグループだったら、そのことに対して不満を言う子も出てくると思うんですけど、わりと少人数で行動していたので、「一緒に行こうよ」「いいの?」みたいなこともあったりして。
──こんなに問題になっているのに、今でもいじめに遭っていて、そのつらい思いをひとりで抱えている子も大勢いると思うのですが、そういう現状についてはどう思いますか?
誰しも、人生において1回や2回、「消えてなくなってしまいたい」と思うことって絶対あるんじゃないかなと思うんです。ただ、それを本当に行動に起こしてしまうか、してしまわないかの違いなだけで、みんな心に弱い部分はあると思います。それを助けてくれる誰かひとりだけでもいいし、マンガや小説でも、支えてくれるものがひとつでもあれば、きっと状況は変わってくると思います。でも、実際そういうふうに死を選んでしまう子がいるという現実は、すごく悲しいことだと思いますね。
とくに学生時代は、今がすべて、今置かれた場所がすべてだから、どうしたら人生がうまい方向に進むかがわからないというのも、理解できます。たしかに学生時代は、その世界がすべてだったから。
──映画にも、いじめのシーンがあります。
そうですね。白瑞高校のメンバーが陽一に対してひどいことをしたときに、お父さんが学校に乗り込んでいって怒ります。怒られたときに、そこで気づける素直さがあるかないか、ですよね。いじめを止めた人がまたいじめの対象になる、ということもあるじゃないですか。それがおかしいなと思うけど、日本人はとくに群れをなすタイプだと思うので……。空気を読み合うっていいことでもあるけど、そういった場面ではすごく悪く働いてしまうし、難しいところですね。
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連戦連敗の雑草集団が最強チームとなって活躍する痛快青春小説。
仲間がいるから強くなれる。
連戦連敗の雑草バスケチームの成長と奇跡の日々を追いかけたフォトブック。
主演には、日本映画界でもっとも熱い視線を注がれる俳優・志尊淳。
T校の個性的な仲間たちには、2018年も出演作が相次ぐ佐野勇斗をはじめ、これからの映画界を担うブレイク必至の若手俳優陣が集結。秘蔵カット満載のオールカラー132p。オフショットも収録。
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