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眩しがりやが見た光

2018.10.17 公開 ポスト

全感覚祭を前にマヒトゥ・ザ・ピーポー

このコラムは、なんでもない日常を誰の役にも立たないよう生ぬるく、できるだけ無力に書き連ねてきたつもりだが、なんせ、この1ヶ月のわたしの時間は来たるべき二日間のために使ってきた。体をひねっても逆立ちしても、無音が数秒あればわたしは全感覚祭(編集部註:マヒトが所属するバンド、GEZANの自主レーベル「十三月」主催の入場無料、投げ銭方式のライブイベント。そのいきさつは「祭りの準備」でも読めます)のことを考え、ものの数分で膨れ上がるLINEの未読に視力を悪くさせながら向き合った。つまりはまぎれもないこれは日常であり、避けることはできない議題なのだろう。

先日あがったPYOUTHの、記事と呼ぶのもはばかられるそんな動揺そのもの、バカの垂れ流しを読み返し、あまりにもな不格好さに笑ってしまった。

当初掲げていたコンセプトに比べれば、内容は実に子どもっぽく、文化祭レベルと呼べば本職の学級委員長にしかめ面をされかねないほどに程度は低い。だが、謎めいた皆の自信はどこからくるのだろう。動揺してもネガティブなところには落ちこまないから十三月のチームは不思議だ。というか答えを知っている。バカの集まりなのだ。

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マヒトゥ・ザ・ピーポー『ひかりぼっち

いつ、どの部分を遺書として 切り取ってくれても構わない。 あなたがあなた自身である限り、誰にも負けることはない。 オリジナルでもフェイクでもいい。ただわたしであればそれだけでいい。 GEZANマヒト、時代のフロントマン。眩しいだけじゃない光の記録。本連載に加え、書き下ろしを収録。(写真 佐内正史)

関連書籍

マヒトゥ・ザ・ピーポー『銀河で一番静かな革命』

海外に行ったことのない英会話講師のゆうき。長いあいだ新しい曲を作ることができないでいるミュージシャンの光太。父親のわからない子を産んだ自分を責める、シングルマザーのましろ。 決めるのはいつも自分じゃない誰か。孤独と鬱屈はいつも身近にあった。だから、こんな世界に未練なんてない、ずっとそう思っていたのに、あの「通達」ですべて変わってしまった。 タイムリミットが来る前に、私たちは、「答え」を探さなければならない――。 孤独で不器用な人々の輝きを切なく鮮やかに切り取る、ずっと忘れられない物語。アンダーグラウンド界の鬼才が放つ、珠玉のデビュー小説。

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眩しがりやが見た光

GEZAN・マヒトの見た、光、幸福、人生。

バックナンバー

マヒトゥ・ザ・ピーポー

ミュージシャン。2009年に大阪にて結成されたバンド・GEZANの作詞作曲を行いボーカルとして音楽活動開始。
2014年からは、完全手作りの投げ銭制野外フェス「全感覚祭」も主催。自由に境界をまたぎながらも個であることを貫くスタイルと、幅広い楽曲、独自の世界を打ち出す歌詞への評価は高く、日本のカルチャーシーンを牽引する。
著書『銀河で一番静かな革命』『ひかりぼっち』、絵本『みんなたいぽ』(絵:荒井良二)。映画監督作品『i ai』がある。

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